幼稚園、小学校、中学校そして高校と同級生だったSさん。令和6年5月に開催の東京支部同窓会総会で会えることを楽しみにしていました。東京在住で活躍しているSさんと会う機会は、この東京支部同窓会の一度になっていますが、小学校の時から活発で光り輝いていた友人は今も光り輝いています。明るくて活発なので、誰からも好かれ周囲も含めて輝かせてくれる人なのです。
5月12日にメッセージが届きました。「5月26日の東京の同窓会には来ますか」僕は「もちろん行く予定です。楽しみにしています」と答えました。
その返事からが衝撃でした。「片桐君が来るだろうなぁ、会いたいなぁと思っているものの。実は私、癌になってしまって、今、治療中なんですね。26日が、自分が元気なのかどうなのか分からないんです。もし元気で行けそうなら、片桐君に会いに行きますね」というものでした。
その後、会話があったのですが、「抗がん剤治療中です。治療後10日ぐらいは副作用で辛いですが、次の治療まではいつもの元気ですよ。心配無用です。まぁ、なるようにしかならないから。元気な時は好きなことをいっぱいしています」
「ありがとう。見た目は凄く元気だよ。時々、自分でも私は癌なのって思う。今週は元気な時だから、韓国も行くしゴルフもします。凄い私」
「こんな私なんだけど。癌が見つかった時、既にステージ4で、治療しないと半年から1年の余命と言われ、ぎゃー、めちゃくちゃ短いと思いました。でも治療しているから寿命は延びたと思うよ」。
とても明るくて前向きな姿勢は小さい頃から変わっていません。
会話は続きます。「令和6年1月におへその左が痛いので病院に行ったのです。胃のCTを撮影したけれど何もなかったのですが、杏林病院で精密検査をしてもらうようにしました。そうしたところ腹膜癌だと分かったのです。しかもステージ4でした。いきなり腹膜癌になることは稀なので治療のために原因を特定しようと検査したけれど、発生元が分からなかったのです。そして2月に手術をしたけれど腹部を開いたところ『腹膜から癌は転移しているので手術はできない』となり、取り除くことはできなくてそのまま複合しました。
癌だと分かった時は『悲しくはなかったけれど、まだまだやりたいことかたくさんあるのに』と思いました。『東京で経営している塾はどうするのか。同級生に運営を任せているけれど。彼は大丈夫だろうか』だとか『韓国との教育連携や芸能の仕事はどうすれば良いのだろう。誰に引き継げばよいのだろう』だとか。私が先鞭をつけた事業なので、目途がつくまで自分でやり遂げたいと思ったのです。だから『子どものことも考えなければいけないし。まだまだやりたいことがあるのに』と思いました」。
僕は「同窓会で会えないなら他の機会を作りましょう」と話すと「私、次の誕生日を迎えられるかなと思っています」と言うので、「今年も誕生日は迎えられるし、来年もその次も誕生日は迎えられるよ。でも今月中に一度会いましょう」と伝えました。