コラム
コラム
2024/3/6
1900    レモン栽培

レモン栽培をしている事業者の方と懇談しました。農業に関する知識は乏しいのですが、専門家から興味深い内容の話が続きました。

来訪者があるとレモンの木を見て「このレモンの木が欲しい」と言われる人がいます。熱心な方にはお分けしているのですが、一年もすると枯れてしまうのです。その問い合わせがあると「植木鉢から出して植え替えてくれましたか」と答えます。育て方を伝えていますが、多くの人は植え替えずに植木鉢でレモンの木を育てているのです。

当たり前ですがレモンの木は成長していますし、成長を続けようとします。しかし植木鉢で育てていると根が張らないので成長することが出来ません。成長できなければ後は枯れるだけです。レモンの木が成長できるような環境を整えてあげる必要があるのです。

この話は私達にとっても教訓になります。人も成長を続けていく意思がある生き物だと思います。成長することを諦めてしまうと、これから起きるであろうことが止まってしまうのです。

レモンは成長できなければ枯れてしまうように、人にとっても成長を諦めることは良くないことだと思います。レモンの事例のように「成長できなければ枯れる」ことも頭の片隅に記憶しておきたいと思います。

もうひとつ。成長を続けるためには同じ場所でいてはいけないという教訓です。

人にとって居心地の良い場所がありますが、レモンの木は植木鉢から庭に植え替えが必要なように、人も成長を遂げるためには、時折、環境を変える必要があります。同じ場所で成長を続けられることもありますが、環境を変えること、つまり挑戦することで成長曲線は加速していくのです。

勿論、環境を変えることによって失敗することもありますが、挑戦しなければ現状に留まることになるので、やがて社会が進展していけば衰退となってしまうのです。社会は進化し続けているので人も進化し続けることが必要です。留まっていると社会の進化に後れを取ってしまうことも覚えておきたいことです。

まだあります。レモンの木は手間暇をかければかけるほど、品質がよくなるということです。手間をかけるとはレモンと一緒にいる時間が長くなることですが、成長に必要な手間をかける時間が長ければ長いほど良いレモンに育てられるというのです。正しい育て方で時間をかけることが品質の良いレモンを育てるコツだそうです。

人間も同じだと思います。正しい方向に導いてくれる人がいて、そこに成長に必要な時間をたっぷりと確保すること。そのことが、人が正しく、そして早く成長を遂げるために必要なことです。

レモンと違うのは人から施してもらうのではなくて、自分の意志でやるべきことに時間を費やすことが成長のために必要なことなのです。やるべきことに人よりたくさんの時間を費やすことが抜きんでるために必要な取り組みなのです。

レモンを栽培している方からの話は教訓になるものでした。専門家の話は考え方や行動するに際して勉強になることばかりです。