コラム
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2013/9/3
1320    好きこそ上達

二人のプロゴルファーの話を伺いました。高知県の明徳義塾高校はゴルフでも有名な学校です。プロゴルファーになっている卒業生が数多くいます。

関係者との話の中で知ったのですが、歴代の卒業生の中で一番練習をしていたのが松山英樹プロだそうです。練習につぐ練習で、群を抜いた練習をしていたようです。卒業後は東北福祉大学に進学したのですが、この大学の練習する環境は素晴らしいので、「恐らく大学でも一番練習をしたのではないだろうか」と話してくれました。

もう一人は森岡紋加プロです。明徳義塾では中学校と高校の6年間を過ごしています。多くの生徒は練習の慣れない寮生活と練習の厳しさによって辛い年月を過ごすようですが、森岡プロは違っていたそうです。大好きなゴルフを、6年間徹底的に練習できることを楽しいと感じていたのです。厳しいとか辛いとか思わないで、楽しいと感じていたと聞きました。楽しいと感じるから練習に打ち込めますし、長時間の厳しい練習にも耐えられます。そしてプロを目指すという明確な目標があったことから、目標に向かって練習を続けた6年間だったそうです。

好きになることが上達するために必要なことだと教えてくれる事例です。

ところで自分ができないことを環境の責任にする人がいます。中学校の環境を気に入らないで、「勉強ができないのは勉強ができる環境にないからだ。周囲が悪いので勉強ができない。成績が悪いのはこの中学校にいるからなので、高校に入ったら大丈夫」と、自分の成績の悪さを環境の責任にした言い訳をしていた人がいました。

そして高校に入学しました。ところが高校に入学しても同じことを繰り返しています。「成績が伸びないのはこの高校に入ったからだ。もっと良い学校に入っていたら成績も上がったと思うので、この勉強できない環境が悪い。もっと良い高校に入れば良かった」と、やはり言い訳をしています。

さて大学入試が近づいてきました。やはり同じように思っています。「自分の実力からすると東京の一流大学に行くべきだ」と。ところが現在の成績からすると、行ける大学は限られています。恐らく、どの大学に進学したとしても同じような感想を持ち続けます。「自分の成績が悪いのはこの大学に来たからだ。違う大学に進学していたらこんな成績にはならなかったのに」と。

自分の実力が不足しているのは環境の責任ではなく、全ては自己責任なのです。どんな環境にあっても自分ができることを続けることで、その環境の中で光り輝くことになります。その高校や大学の中でトップを目指せば良いのです。でも環境の責任にしている限りは努力をしませんからトップにはなれません。むしろその高校や大学が気に入らないと思っているなら、成績は下位に低迷することになります。

自分の置かれた環境を好きと思うなら、松山プロや森岡プロのようにその環境の中で努力をします。でもその環境を好きだと思わなければ、環境の責任にするので努力はしません。

自分ができないことを環境や人の責任にしている限り、どんな環境下にあったとしても伸びることはありません。全ての結果は自分のやり方であり、努力した結果を反映します。結果が伴わないとすれば、それは自分がやらなかったからだという以外の理由はありません。