コラム
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2013/9/2
1319    ○○はえらい

毎日新聞夕刊(平成25年8月16日)掲載の「しあわせのトンボ」という記事があります。ここでは「○○はえらい」遊びをすることを薦めています。読んでみるとなるほど楽しいと思えるものでした。東京都の小学校5年生を対象とした授業の後で届けられた「○○はえらい」遊びの中で「ぞうきん」と「信号」、そして「色」の三つについて紹介します。

「ぞうきんはえらい。しっかりゆかもかべも、すっかりピカピカにする。どんなにきたなくなっても、がんばりつづける」。

「信号はえらい。赤、黄、青だけで、人の命を守る。色だけで今のじょうきょうを伝える」。

「色はえらい。いろんなものをはなやかにする。みんなのさみしい気持ちを、ぱっと明るくしてくれる」。

本当に素晴らしい見方をしています。ぞうきんや信号、色の役割を活き活きと描いています。どんなモノにもしっかりとした役割があることが分かります。モノは人が作り出したものですから、人と共に共存するだけの役割があるのです。そして、そんなこの世で必要なモノを作り出したのは人です。

必要なモノを作り出したのが人ですから、全ての人には社会の中で役割があるのです。しかし自分の役割は何なのか分からないものです。そんな時、家族や友人と共に「○○はえらい」遊びをしてみると楽しいかも知れません。自分のことを「私はえらい」とは中々言えないからものです。家族や友人に「○○はえらい」と言ってもらう方が楽ですし、客観的に自分が社会でどんな役割を持ち、どんな存在でいるのかを知る機会になります。

試しに、今日、偶々出会った人とモノについて「○○はえらい」遊びをしてみました。

人物編です。「Nさんはえらい。とても暑い日の中で献血に協力してくれた人に一所懸命に協力の記念品を配っている。暑さを気にするよりも人のことを大事にしている。走る度に幸せな笑顔が増えていく」。

続いてモノ編です。「自動車はえらい。暑くても文句を言わないで走ってくれる。自分は暑くて大変なのに乗っている人を涼しく快適に運んでくれる。一日走り終えた後、何のご褒美もないのに、止まった場所で静かに休んでいる」。

作り出すと次々に書くことがでてきます。もうひとつ、モノ編です。「ボールペンはえらい。僕が思ったことや感じことを、その場において言葉で素直に表現してくれる。ボールペンがあるから今日の思い出も、行動も、出会った人も全て記録してくれる。大切な人との会話もしっかりと文字と時で刻んでくれる」。

書いた途端に、その人やモノに感謝の気持ちが湧き起こります。自動車やボールペンがあるから活動ができていますし、多くの人との出会いとその結果得たものを記録できるのです。

自動車がなければ行動範囲は狭められます。ボールペンがなければ、こうして今日の出来事を正確に思い出すことは難しくなります。

では最後に夏についての「○○はえらい」遊びをしてみます。「夏はえらい。飲み物をおいしくしてくれる。甲子園の熱戦を見せてくれる。日陰のありがたさを教えてくれる。そして秋が近づく気配を感じさせてくれる。人生は短いことも気付かせてくれる。だから頑張ろうという気持ちにさせてくれる」。