コラム
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2013/1/11
1177    映画のストーリー

映画監督にストーリーの作り方を教えてもらいました。映画でもドラマでもストーリーが大事です。見てくれる人に何を訴えるかというテーマも大事ですが、ストーリーの組み立て方はもっと大事だということです。

見る人は日常の中で体験できないような感動を求めていますから感動は落とせないパーツです。でも感動だけでは見てくれないのです。感動は最低限織り込むべきものであり、ストーリーの中に感動、驚き、涙溢れることのみっつの要素を組み込むことが必要なのです。つまり感動を超える感動にはこのみっつが詰まっています。ストーリーの展開の中に感動する場面が出てきた。続いて見ていると驚く場面があった。そして最後には涙が溢れてきたというストーリーの映画やドラマはヒットするそうです。

このストーリーを基にして映画制作はスタートします。ストーリーを生かすためには役者も大事です。同じ場面を表現するのでも、役者によって印象、訴える力は違ってきます。台詞は勿論のこと、台詞のない場面で観客にメッセージを伝えなければならないシーンがあります。目力、人間的温かさや強さなどで、感動や驚きを伝えることができる役者が一流なのです。それは内面から出てくるものであり、周囲を圧倒する雰囲気だそうです。言葉で表現できない力が宿っている役者が一流であり、観客に感動以上のものを与えてくれるのです。

人気ドラマであったドラマ水戸黄門でもそのストーリーは描かれています。それがあるから人気のある長寿番組としてシリーズ化されていたのです。例えば悪人にいじめられている善良な町民があるとします。最初は絶望感があり助からないと思いますが、希望を捨てないでいると次第に味方が現れます。

でも権力の前に敗れそうになります。そんな時、旅の一行と絶妙のタイミングで出会います。視聴者は町民の不条理な扱いの過去からの話を旅の一行に話をします。視聴者はその場面に感動し応援し始めます。しかし悪人は権力を行使して力で圧倒しようと行動にでてきます。絶体絶命の場面に水戸黄門が登場するのです。視聴者は旅の一行は水戸黄門のご一行であることに驚きます。

そして戦いの場面から悪人を征伐する場面に移り悪は滅びます。しかし悪人に対して暴力で対抗しようとした町民は罪に問われそうになります。が、水戸黄門の正義の裁きによって町民は元の平和な暮らしが訪れることになり。その場面に涙が溢れるのです。

ストーリーを単純化すると以上のようになります。毎回、展開が分かっていても感動が溢れ、この次も観ようと思うのは、このストーリーの組み立てがあるからです。

そしてここには監督からメッセージも込められています。大勢の中でたった一人がいじめられていたとしても、やがて近くの人が味方になってくれることです。誰も助けてくれないと思っていても、近くにいる人で味方になってくれる人は必ず現れてくれるのです。

1人が2人になり、そして味方が複数人に増えていく。やがてそれは権力者でも倒せる力になっていくのです。学校や社会でいじめられている人を応援するためのメッセージを発信しているのです。人気のある映画やドラマの中には、現代社会を生きている私たちに対するメッセージが込められているのです。しかも感動と驚き、涙のストーリーの中にそれが込められているのです。

私達が何かを伝えたいと思うなら、これの真似をすることです。相手を感動させる、驚きを与える、そして涙です。そのストーリーの中でメッセージを発信させるのです。映画やドラマには監督がいます。監督は自分の人生で得たものを伝えようとしています。それを受け取ることは人生のヒントになりますし、人生を前向きにさせてくれます。