コラム
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2012/12/14
1163    演じる

日常生活を豊かにしてくれる方法があります。自分の全ての行動にテレビカメラがついて回っていることを意識することです。自分が行動している全ての時間、場所にテレビカメラがついて回っているとしたら、どんな行動をするのでしょうか。想像してみて下さい。

オフィスの光景。誰かにコピーを依頼したとします。ところがコピーしてきた用紙が歪んでいて原紙の内容が読めなくなっていました。普段であればなら「コピーくらいちゃんと取れないの。もう一度やり直せ」と言うとします。

しかしテレビカメラがこの場面にあるとすれば、そんな態度や言葉を発しない筈です。こんな場面をテレビで放送されると人格が疑問視され人気が落ちるからです。ですから「少し見え難いので、悪いけれどもう一度コピーしてくれないかな」と笑顔で再度依頼することになります。これだとコピーをした人も自分の失敗が分かりますし、周囲の人も好印象を与えることになります。人気が高まると仕事がし易くなるのです。

取引先との打ち合わせの途中でスタッフがお茶を持ってきてくれました。ところが書類にお茶を溢してしまいました。そんな時こんな台詞を発したとします。「お前、何しているんだ。大事な書類がぐちゃぐちゃになったじゃないか。どうしてくれるんだ。お茶なんか指示していないのに余計なことをしやがって」。取引相手にも好意でお茶を出してくれた従業員さんにも不快感を与えてしまいます。

そしてテレビであなたを見ている視聴者の方々からは、テレビ局に抗議が殺到します。「あんな人物は使うな」、「だれでも失敗はあるのに、あんな態度を取るなんて信じられない」、「番組から降ろせ」などの苦情が来るのです。自分の態度と言葉が自分を苦境に陥れたのです。

テレビカメラで映されていると意識をしていた場合は次のような対応になります。

取引先に対しては「申し訳ございません。衣服などは大丈夫ですか。もう一度書類をコピーしてきますからお待ち下さい」と言うことになります。お茶を入れてくれた従業員さんに対しては「折角、温かいお茶を運んでくれたのに申し訳ない。打ち合わせは大丈夫だから、すまないけれどももう一度、持ってきてくれるかな。少し休憩するので温かいコーヒーの方が良いと思うのでお願いするね」となります。

あなたの対応次第で災いが転じて福になることがあります。商談を中断し話をするコーヒーブレイクの時間を取ることで、お互い親しくなれるかも知れません。そしてあなたの対応に対して相手は感動したかも知れないのです。ホッと一息中断することでそれまでの交渉から発展することにつながるかも知れません。

このようにテレビカメラを意識することで、自分でテレビに出演している理想の自分を演じられるようになるのです。演技力はとても大事です。理想の自分を演技していると、その演技している自分が本当の自分になっていくのです。どちらの自分か分からなくなればしめたものです。行為を持たれるような演技をしている自分を本当の自分にすれは良いのです。

タレントが好感を持たれるのはテレビカメラを意識した行動をしているからです。日常の自分にはテレビカメラがついていると思うと好感度がアップします。