コラム
コラム
2012/7/2
1067    文章の書き方

答案について質問をいただきました。「試験の課題発表があったので、答案の下書きをしました。試験日当日までにそれを覚えて、そして試験で書き出すことにしたいのですが、どうしたら覚えられますか」という質問です。

その仕事に対する考え方や、その会社でやり遂げたいことが書かれている良く出来た答案です。その会社に自分が必要な理由があり、そのために経験を積んでいるとも記されています。ですから試験では自分が結論を導いているのですから、結論への導き方を注意すれば良いとアドバイスしました。つまり答案を丸ごと覚えなくて良いということです。

事前に答案を書いておくことは素晴らしいことですし、試験に余裕を持って臨むことができます。しかし丸暗記をする必要はありません。その会社で務まるだけの経験を積んでいるので、自分の売り物とやり遂げたいことを明確にしておけば、そこにつなげる展開は当日湧き出てくる思いを書けば良いのです。

同じテーマでも、今日書くのと、明日書くのとでは文章の書き方は違ってきます。つまり同じ文章を書けることはなないのです。但し個人の価値観はありますから課題に対する結論は変わりません。ですから思い切ってストーリーを創ればよいのです。

例えば「英語教育についてどう思うか」という問題があったとします。結論は自分の価値観で決まっています。仮に「私は小学校からの英語教育は必要だと考えます」と結論付けたいと考えているとします。

その結論に至る過程はしっくり行くように書けば良いのです。

第一案。「大人になっている自分は英語が話せません。そのため仕事で重要とされている外国とのビジネスの機会に参加させてもらえません。また同僚は取引国の情報を得るために英語のインターネットサイトを活用していますが、私は情報を得るのに英文を出力、日本語訳をしなければならないので時勢を得た仕事ができないのです。もし小学校時代から話せる英語教育の機会があれば、英語を武器にしたビジネスができていると考えるからです。そのため・・・(結論の文章を書きます)」。経験に基づいた書き方ができます。

第二案。「趣味は観光旅行なので外国に出掛ける機会があります。一人でも気後れすることなく外国旅行が出来るのは、日常会話程度なら英語で話せるからです。会話ができるとその国の人達と仲良くなれますし、その国の文化や生活も知ることができます。今では外国人の友達もたくさんいますし、インターネット社会においては仲良くなった友人とは会わなくてもメールで情報交換をしているので、その国のリアルタイムの情報を得ることができています。外国との交友関係は仕事においても有利に働いています。これからは更に英語ができることの重要性が高まると考えています。そのため・・・(結論の文章を書きます)」。これも経験をリード文としています。

結論が決まっていたら、文章の展開はその時の感覚で収まりの良いものを選択することです。活きた文章にするためにも、丸暗記しておく必要はありません。文章を書くためには、様々な経験を積んでおくことが大切なことなのです。