コラム
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2012/6/18
1057    見抜く力

香港の留学生からの学び第三回目です。話をして直ぐにどんな仕事をしている人か分かることが大事だということです。見抜く力や直感力は大切な力だということです。

質問をして即答してくる人は士族か先生が多いということです。その回答までの時間やタイミングは経験から学ぶもので、0.何秒以内というルールはありません。反応が早いこと、回転が速い相手は士族や先生に多いのです。この相手の場合は自分の考えを話すことで理解が深まります。初対面からでも突っ込んだ内容の話しをしても大丈夫なのです。知識が豊富、会話慣れしていること、仕事を通じて人としての幅が広がっていることから、知的な会話が楽しめるようです。

逆に回答が遅い人は研究者が専門家に多いようです。反応が遅いというのではなくて考えてから慎重に答えるタイプです。しっかりとした会話になるため回転は遅いのですが、未知の領域の知識を得ることができます。

中間的な時間で回答を返してくれる人は大多数です。反応を楽しむというよりも、その一時を楽しむことができます。

そして自分が学べる人との会話の機会を大切にすることが短期間に成長につながる秘訣だと話してくれました。学生でありながら、官僚や他大学の大学教授、士族との関係を築いています。勿論、アメリカや香港の有識者層との人脈もありますから、情報の入手が早くて情報の精度の検証ができています。

そこまでの関係になるには自分のレベルを高めておくことと、相手にとって自分が有用な人材であることが必要となります。自分がレベルを上げるとそのレベルに応じた人と付き合う機会が発生しますし、そこから学びの機会と更に一段高い情報を得ることができます。そのためには自分のレベルを高めることが前提ですから出会った最初が肝心です。肩書きではなく最初に相手の人間レベルを見抜くには、相手に話したことへの反応を読み取る力が必要となるのです。

さて自分のレベルを高める方法は人によって異なりますが、本を読む習慣は絶対に外せないことです。この留学生は一週間に5冊の本を読んでいます。経済学部ですから経済に関する新書を5冊読破しています。日本人よりも日本経済について学んでいるような気がします。読書が短期間に日本語を堪能にさせ、経済学、特に日本のデフレの原因と脱却に関する知識を深めさせているのです。

例えば円高ドル安になっている原因は円の流通が少ないからだという説があります。2000年代の円通貨の発行率は世界最低の伸びになっています。つまり円の流通量が少ないので円高ドル安になるというものです。物の値段を決める要因のひとつに希少性があります。希少価値の高いものは価格が高くなります。通貨も同じで発行量が少なければ価値を持つことになります。円の発行高が少ないことも円高の原因だとすると対策は考えられます。同時に円の価値が高いことがデフレ誘導に向かう原因とも言われています。このように日本経済の課題、円高とデフレ要因について留学生と話せるのは楽しい時間です。