洋菓子講習会
和歌山県洋菓子協会主催の洋菓子講習会の案内をいただき出席しました。講師は木村成克先生で、洋菓子協会理事長から紹介をしてもらいました。木村さんは洋菓子の本場パリで11年間勤務した経験がある本物の人物です。1年や2年の修業ではないので本物のパティシエです。現在、世田谷で「パティスリー・ラ・ヴィエイユ・フランス」を開店しています。この由緒ある店名はパリで修行、勤務した「ラ・ヴィエイユ・フランス」の名前を受け継いだものです。
世田谷のお店を訪問した理事は「ここはパリかと思いました。店内がパリの装いだったのです。注文するとき日本語が通用したので、ここは日本だったと安心しました」と話してくれるほど、パリの装いをしているのです。木村先生とお会いし、この話を聴いて「一度、訪れたい」と思いました。
そして和歌山県の理事長は「木村先生の凄いところは心を込めているところです。利益よりも効率よりも、心を込めた洋菓子づくりが先生です」と話してくれました。パティシエによって強みや凄みに違いがあり、木村先生は「心を込める」ことが特筆だそうです。
先生はインタビューで「手先の技術ばかりを磨くのではなく、心を込めること。心を込めて、生産者の顔が見える安全な食材を選ぶ。栽培や届けられるまでの苦労に思いを馳せながら、心を込めて加工する。そうした心遣いと想像力がなければ、フランス菓子の基本である素材の目利きの技術も身につきません。そして、自分のお菓子について絶えず考え、より高みを目指すこと。24時間考えたっていい。もちろん、簡単なことではありません。でも『これで十分と思ったら、おしまいだぞ』と、いつも言っています」と話しています。
洋菓子に心を込めることが、お客さんに喜んでもらえることになります。心を込めることはレシピの考え方に現れています。「レシピでは何グラムだとか何度と書かれています。それはその通りだけれども、大事なことは『こんな感じ』です。勘というか経験というか分かりませんが、『こんな感じ』で伝わるニュアンスが大事なのです。言葉で伝える『こんな感じ』を受け取り側が『こんな感じ』だと思ってくれたら、それが良いのです。
実は『こんな感じ』で作る方がおいしく感じることがあります。若い人にはレシピも大事だけれども『こんな感じ』も大事だと伝えたい」との思いで、講習を行ってくれました。私も約2時間30分の講習を受けましたが、やがて引き込まれていきました。
ケーキには甘いいちごをのせるだけではおいしくありません。甘いイチゴをのせるのだったら、イチゴだけを食べたら良いのです。ケーキのイチゴのおいしさは、クリームと生地との味のバランスにあります。甘いクリームと生地があるからイチゴは酸味がある方が良いのです。よく甘み飛ばすと言いますが、飛ばすためには甘酸っぱさを添えることです。レモンをかけることは甘みを飛ばして甘酸っぱくすることになります。
洋菓子は単品のおいしさを組み合わせるのではなくて、全体調和、バランスが大事だということです。おいしいものを組み合わせるだけではおいしく完成しないことが洋菓子づくりの楽しさかも知れません。だからレシピは、それぞれの素材の味を引き出すためにあるのです。
参考までに、理事長から「洋菓子のレシピはフランス語で書かれています。使う素材も作り方も全てフランス語で記されています。フランス語の単語を知ることが洋菓子職人として必要なことです」と話してくれました。フランス語ができなければパリで勤務できませんし、学ぶこともできません。日本でもレシピはフランス語で書かれているので、知識として必要です。
洋菓子づくりの楽しさとおいしさを味わえた講習会となりました。昨年に引き続いて良い講習会に参加させてもらったことに感謝しています。


