飲食店の現実
飲食店の現実
市内で飲食店を経営しているRさんを訪ねて懇談しました。この場所でお店を始めて21年目になります。
「お店を始めた頃と比較して今はお客さんが少なくなりました。開業当時も和歌山市の景気は良くないと言われていた時代ですが、それでも繁盛していました。午前11時に開店してお昼の営業、その後は夕方から翌日の午前5時まで営業していたほどです。当時の睡眠時間は約3時間でしたが、それほど来店してくれて流行っていました。
ところが今はお昼のお客さんは少なくなり、夜の時間も人が減りましたね。もうさっぱりの状況です。私の店はまだ何とか保っていますが、片桐さん、前のお店を見てください。また看板が変わっているでしょう。もう何度も経営者が代わっていますから、飲食店はやりにくい時代です。
以前、和歌山市の飲食店は海南市、岩出市、有田市から集客できる力がありました。これは県都和歌山市の力だったと思います。周囲の市からお客さんを呼び込める力があったので、人で賑わっていたのです。遠いところでは、泉佐野市からも常連のお客さんが来てくれていました。和歌山市で飲食することのブランド力があったと思います。
ところが今ではこれらの市からのお客さんはほとんどなくなりました。泉佐野市からはゼロになっています。これが和歌山市の衰退の現実です。周囲から人を呼び込む力がなくなっているのです。もう元に戻すことはできないと思いますから、市内のお客さんをまちに呼び戻すことを考えるべきだと思います。なにも行政の責任だと言っているわけではありませんが、行政との協調が必要だと思います。飲食店はまちの魅力の一つだと思いますから、衰退すれば和歌山市の魅力が減少することになると思います。
私もあと何年営業できるか分かりませんが、考えるべき時期になっています。お客さんに支えられてここまでやってきましたが、お客さんが少なくなり、和歌山市にお世話になってきたご恩もありますが、これからも同じように経営できるか考えています。
一つの方策として、友人の衣料品と雑貨、美容品を取り扱っているお店からグッズを購入して、私のお店のお客さんにプレゼントしています。好評なので続けてみようと思うのですが、大きくお客さんを増やすまでには至っていません。今は仲間と協力してお客さんを呼び込む方法を考えているところです。
片桐さんも和歌山市の飲食店の現実を知っていると思いますが、今のままでは私たちの世代のお店は消えていきますね」と話してくれました。
現実は理解しているので人が出てくる仕掛けも考えていましたが、その政策はしばらく先になりそうです。しかし衰退を食い止めるための時間的余裕はありません。このような現実話を理解したうえで、和歌山市に賑わいを創り出す政策が必要です。交流人口やまちに人がいないことが、JR和歌山駅周辺の再整備や中心地の賑わい創出などの計画が進まない原因になっています。
この問題はしっかりと考えるべき課題だと捉えています。
起業家支援の必要性
市内の若い事業家を訪問して、今夏のお礼と意見交換を行いました。
「和歌山市内でAIの仕事をしている人や目指している人たちが、和歌山市内で起業できる環境を調える必要があります。現在、起業支援制度やインキュベーション施設がないので、特に若い人が流出しています。起業を目指している人から要望を聴くと、支援制度の必要性を感じています。
そこで先般、空き店舗を購入して起業家に使ってもらう準備をしています。行政のスピードと感覚が民間と異なるので任せていては人材が流出するばかりです。今、和歌山市で起業を考えている人を逃してはいけません。片桐さんに期待しているので諦めないでください。私たちもやれることはやっておきます」と話してくれました。
将来の芽はありますから、ここから育って欲しいと願っています。


