スピード感
「行政はスピードが大事ですよ」と話をいただきました、全くその通りだと思います。スピードのない政策は実現しないことが多いように感じます。ある地方自治体では「地域で必要としている取り組みの依頼をしたところ、半年で予算化してくれて直ぐに実現した」事例を紹介してくれました。
この取り組みができた理由は「その時の職員さんが優秀で理解力があり、上司と掛け合うだけの力も備えていたからです。スピードをもって動くと財政も必要なことを肌感覚で分かりますから、予算措置をしてくれたようです。熱意と政策の企画力、そしてスピード感によって物事が実現していくようです」と説明してくれました。
一つひとつの動きが遅いと周囲は緩みますし、本氣で取り組んでいるのか分からない場合があります。やはり熱量とスピードは比例するものなので、困難な政策を実現するために何が大事かというと「スピード」だと答えます。
意思決定のスピード、行動のスピード、周囲を巻き込むスピードなどがありますが、全てにおいてスピードが大事な要素です。
このことはプロスポーツの世界からも聴こえてきます。プロとアマチュアの最も大きな違いはスピードだと聴くことがあります。例えばスーパーバンタム級チャンピオンの井上尚弥選手のスピードは他の一流ボクサーと比較してもダントツに早いと聴きますし、プロボクシングのヘビー級チャンピオンのウシク選手は「ヘビー級でこのスピードがあれば、負けることはない」と言われています。プロスポーツでは、スピードのある選手が圧倒的に有利だということです。
政策実現でも全くこれと同じです。提言すべき時期というものがありますから、間をあけることや「次の議会で質問しよう」と思っていると、時期を逸してしまうことになります。
府県間競争で争っている時に、スタートで出遅れると取り返しのつかないことになります。陸上競技の短距離走においてタートで出遅れると致命的になるのと同じで、和歌山県が都道府県に後れを取ると、追いつくことは難しいのです。
もしスタートで出遅れたのが東京都であれば、その圧倒的実力で追い上げることは可能ですが、地方都市では先行している地方自治体を捉えて追い抜くだけの力はありません。和歌山県が持つべき力はスピードであり、政策実現のためにはいち早くタートすることです。弱者が勝者に勝つためには情報収集力を持つこと、他よりも先に取り組むこと、スピード感をもって動き、他に先行することが絶対必要です。
「他の自治体の動向を注視しながら」だとか「国の方針が示されていないので」など考えているようでは既に後れを取っています。他の地方自治体は本気でやろうとしていることに関しては必死に動いていますし、国の方針は水面下で協議や調整を行った結果、表面に現れるものなので、方針が示された時には、既に合意形成が図られ先行している地方自治体が存在しているということです。和歌山県がすべきことは、情報収集力を持つことと水面下で調整する力を供えることです。
そのためには人脈は大事ですし信頼関係を築いておくことも大事です。つまり日頃の活動が大事だということです。故岸本知事は「何も用事がない時からのつながりが大事です」と話していましたが、まさにその通りで、用件がない時に会話を交わすことや、会うことが大事なことです。それによって信頼が構築でき、いざという時に力を貸してくれる存在となります。社会福祉法人の経営者は「実績とつながりが大事です」と話してくれたように、これまでの実績を語れることと良い人脈が大事です。
誰が担当してスピード感をもって動くかによって結果が変わりますから、担当する人とその人の持つスピードが結果を支配することになります。誰がやっても同じ結果にはならないのが現実です。


