会員スピーチ
会員スピーチ
和歌山市倫理法人会の会合に参加し会員スピーチを行いました。スピーチの趣旨は次の通りです。
皆さんおはようございます。本日お話しようと用意していた話題の他に、どうしても話したいことができたので、最初にそのことを話します。それは和歌山城の大楠の話です。この中で大楠の存在を知っている人はいますでしょうか。
あまり知られていないのですが和歌山城内に大楠神社とご神体の大楠があります。この大楠は樹齢400年とも450年とも言われ、誕生したのは戦国時代だとも言われています。争いの絶えなかった戦国時代や、先の大戦の戦火などの歴史の荒波を乗り越えて、現代にその生命を輝かせています。
そのため和歌山城の御神体とも言われていますが、大楠が誕生したのは和歌山城の築城よりずっと以前の話ですから、本来は大楠があった場所に和歌山城が築城されたと言うべきです。
この大楠のお世話を毎日していたのが楠木の番人、折田さんです。昨年の暮れから姿が見なくなったので心配していたのですが、昨年末に体調を崩され、今年1月にお亡くなりになったことを昨日知りました。
本日午前9時に奥様が大楠に来られるので、この例会を終えた後にお会いしてくる予定です。大楠は生命の偉大な力を感じさせてくれる存在ですし、その生命をずっと守り続けてくれた折田さんに感謝するばかりです。本日、倫理法人会でスピーチをすることになったことから大楠に奥様が来られることを知り、大楠に行くことができるのですから、これはとても不思議なご縁だと思います。今日の例会は、運命とも言えるご縁をつないでくれたのです。
このご縁の大切さが伝えたいことの一つです。
もう一つ伝えたいことが、先週の金曜日、和歌山市内で開催した日本と台湾の友好を語る陳さんの講演会です。和歌山県と台湾の友好関係は、これまでも官民をあげて築いているところですが、台東縣の陳さんもその1人です。
少し記憶から遠ざかった感のあるコロナ禍ですが、当時、マスクやグローブが入手困難な時代で、和歌山県でも医療現場などが混乱していました。私と親交のある陳さんは和歌山県の状況を知り、台東縣政府に掛け合ってくれた結果、和歌山県に大量のマスクと手袋を空輸してくれたのです。コロナ禍を乗り切れたのは、たくさんの方の尽力によるものですが、その中の1人が陳さんです。
その陳さんが和歌山市に来てくれて、日本と台湾の絆について感動的な話をしてくれたのです。「一日の友人は永遠の友人である」との言葉を伝えてくれたように、たった1度の出会いでも、人と人は将来につながる関係を築くことができることを教えてくれました。人と人との信頼関係がその後、応援し合い助け合える関係に発展していくのです。
もう一つの言葉がありました。「台湾で1番美しい景色は何でしょうか」との問いかけです。
皆さんは台湾で1番美しい景色は何だと思いますか。分かりませんよね。それでは答えを言います。台湾で1番美しい景色は人です。
台湾には観光名所がたくさんありますから、きれいな景色もおいしい食べ物もあります。でも本当に美しい景色は、見えるものよりも見えない人の心だと伝えてくれました。これは台湾人でも日本人でも同じだと思いますし、和歌山県でも全く同じです。
「和歌山県で最も美しい景色は人です」と言えるような環境を倫理法人会の皆さんと一緒に作っていきたいと思います。
現在、世界は紛争が起き混乱していますから、余計に人と人がつなぐべき友好や平和維持について考えさせられます。世界平和と言うには小さなことかも分かりませんが、それぞれの国の人と人がその礎を築いていくものだと思います。私たちも正しい倫理観を持ち、世界の人達とより良い人間関係を築きたいと思います。伝えたい事はもっとありますが、限られた時間なので以上が本日のスピーチです。この続きは次の機会を待ちたいと思います。ありがとうございます。
大楠と折田さん
長年に亘り、和歌山城内にある樹齢400年から450年と言われる大楠を管理してくれていた折田汎司さんがお亡くなりになりました。お亡くなりになったのは令和8年1月31日、享年90歳。折田さんの誕生日の日にお亡くなりになりました。
1年365日、年末年始、雨の日も欠かさずに自宅から自転車で大楠を訪れ、お水をまき木の手入れを行い、雑草の除去などの作業を続けてくれましたが、昨年末から姿を見かけなくなったので何度か電話したのですが、留守番電話になるばかりでつながりませんでした。「どうしたんだろう」と氣にはなっていたのですが、昨日、大楠神社の張り紙でお亡くなりになったことを知りました。
本日、午前9時に折田さんの奥様が大楠に来られて、ここに集まったこれまでお世話になった方々に感謝の言葉を伝えてくれました。折田さんは大楠に行くことが日課で、それが生きがいになっていたことや、大楠で出会う方々との会話が楽しみだった話を伝えてくれました。また私のことも聞いていたようで「片桐さんの話はよく聞いていました。今日お会いできて嬉しく思います」と話してくれました。
私からは大楠での折田さんとの思い出話を語り、これまでの出来事に感謝の気持ちを伝えました。折田さんは生前「大楠の年齢は400年から450年。それに比べると人の命なんてとても短いので、次の世代につながる何かを残したいと思っています。私の命なんか高が知れているので、ここで出会った人との触れ合いが私に残せるものだと思います」と話してくれたことを伝えました。
本日、折田さんの奥様が大楠に来られることを知った人たちが集まってくれたので、しばしの時間でしたが折田さんの思い出話に浸ることができました。
田辺市役所訪問
午前11時に和歌山県庁を改新クラブのメンバーで出発し、午後から田辺市役所を訪問しました。訪問の目的は、田辺市が取り組んでいるデジタルツインと公立大学構想についてです。どちらも思っていたよりもずっと優れた取り組みでした。ここでは公立大学について記します。
田辺市で計画している公立大学の主体となっているのは、一般財団法人立初創成大学設立準備財団(熊野立初大学)です。コンセプトは「千年先の道を照らす教育を、熊野から」、科目は社会情報科学部で、AIと共に人を磨く大学を目指しています。これからの社会ではAIを活用できる人材が必要ですが現在、圧倒的に不足しています。AIの最新技術と人間理解を結びつけ、社会課題に挑みながら未来を広げ、AI時代の道先案内人の育成を目指すということです。
単にAIエンジニアを育成するだけではなく、AIを使いこなしAIでは取って代われない人間力を得るための学習をすることになります。そのため講義だけではなく探求を生徒に求めています。探求授業こそ思考と行動を結びつけ、自分の力に変えるものだと言うことです。
情報社会においては誰でも瞬時に世界の情報を得ることができますが、世界を見たことのない人にとって、その情報が本当か偽物か見抜くことはできません。
代表理事は商社に勤務していたので海外勤務が多く、ロシアにも6年間駐在した経験があります。世界から日本を見ると、日本は国際社会の真実のほんの一部しか見ていないことが分かります。国際社会を知らな過ぎるのが日本人であり、そのため国内ではあまりにも偏った主張や考え方が蔓延しています。
これでは国際社会で尊敬され、活躍できる日本人にはなれません。国際情勢を知らずに、偏見のある情報を発信する日本人は馬鹿にされています。そうならないような人材を育成することも目的の1つです。
商社の仕事は世界に日本の商品を売ること、世界の商品を見極めて日本に紹介することです。自分たちで製品を作ったり食料を作ったりすることはできませんから、人が重要であることに気づきます。また情報の読み方を大局的に捉えることが重要なことですから、その学習も行っていきます。
世界遺産のある熊野は素晴らしいところですが、この地域から人が去り減少している現実があります。人口減少を止めて若い人にこの地に来てもらうため公立大学が必要です。大学設立に必要なものは教師、生徒、そして資金です。教師は集めているので、生徒募集と資金集めが課題です。
しかし全国にある公立大学で生徒が不足している大学はありません。田辺市だけができない理由はありませんから、本気で取り組めば設立できるはずです。公立大学は大学を作ることを目的にしているのではなく、地域を作ること、人材を輩出することが目的です。人を作り地域を作らなければ地域の将来はありません。公立大学を作ろうとしている目的と設立に向けて動きを加速させていることを伝えてもらいました。


