京都市のPHP研究所京都本部を訪ね、松下資料館の案内をしてもらいました。案内してもらった相談役には深く感謝しています。松下翁と仕事をした経験と松下翁から聴いた話などを交えて松下哲学の一端を伝えてくれました。
その人生哲学は「人間は万物の王者ともいうべき偉大にして崇高な存在である。生成発展いう自然の理法に従って、人間みずからを生かし、また万物を活用しつつ、共同生活を限りなく発展させる。そういう天与の本質をもっている」人間観にあります。宇宙の法則は衰退ではなく発展であり、発展に寄与出来る存在が人間だということです。だから発展につながる生き方をすることが宇宙の法則に合致していることなのです。
続いて松下幸之助翁の仕事哲学で感銘を受けた言葉は次の通りです。
- 十を受けたら十一返す
十を受けたら十一返すとは、人に対して、社会に対して、そんな氣持ちで接したならお互いどれほど身も心も豊かになれることか。 - 最善の上にも最善がある
何事においても最善の上にさらに最善がある。そんな思いで周りの人の意見に素直に耳を傾け、検討し、改めるべきを改めよう。 - 一日の遅れは一年の遅れ
世の中は刻一刻と変わっている。だから、一日の決断の遅れが、仕事の成果に一年の遅れを生む場合も少なくない。 - 悲観よりも楽観
楽観か悲観か、心のあり方で、ものの見方が変わってくる。見方が変われば判断が変わり、判断が変われば行動が変わって、おのずと結果も変わってくる。 - 富士山は西からも東からも登れる
富士山へ登る道は一つではない。だから、時と場合に応じて、自在に道を変えればよい。一つの道に執着すればムリが生じ、ムリを通そうとすれば行き詰まる。 - 「できない」ではできない
これまでの体験や常識にとらわれて、「これはできない」「これはムリだ」とはじめから決めこんでしまってはいないか。そんな態度からは、決して新しい工夫や発明は生み出せない。 - まず受け入れる
人から注意を受ける、あるいは反対される。それに対して感情のまま異を唱えて、いったいどんなよい結果が得られるか。まず相手の意見をしっかり腹におさめよう。その上で、冷静に状況を把握し、じっくりと考えれば、正しい判断がしやすくなる。
このような松下翁の言葉が資料館の壁に刻まれています。壁に言葉があり、ビデオにも松下翁と翁を知る人の言葉が紹介されています。まさに経営の王道と人生哲学が詰まった資料館です。この資料館を訪れるのは経営者や学生だけではなく、近年は中国からも松下哲学を学びに来ているようです。中国では稲盛和夫氏と松下幸之助翁の経営哲学、人生哲学を学んでいる話を聞いたことがありますが、実際に二人の京都市にある偉人な経営者の資料館を訪れて研鑽しているようです。本日も首都圏の大学生、外国人の方々が資料館を訪れて熱心にビデオから学んでいました。
時代背景からすると現代に置き換えられないこともあるかも知れませんが、松下哲学は普遍的に近い教えだと思います。昭和の時代に現代にも通用する哲学を従業員に伝え、そしてPHPを通じて私たちに伝えてくれてきたのです。時を超えてどれだけ社会を発展させてくれたのかと思います。限られた中の時間も莫大な資金を投じて私たちに学びの時間を提供してくれているのです。優れた経営者であり哲学者だと思います。
本日、松下資料館を詳しく説明してくれたことに感謝しています。


