活動報告・レポート
2025年11月26日(水)
地域医療の課題
地域医療の課題

和歌山市の民間病院の方と会議を行い地域医療の課題について教えてもらいました。

一つは病院の老朽化の問題です。順次、建て替えや耐震補強を行っていますが、資金が必要となるため簡単に進まないことが課題です。特に耐震補強をする場合、病院規模にもよりますが、この病院の場合2年ぐらい見込む必要があり、工事の間、病室は使用できなくなります。つまり2年間入院患者さんの受け入れができないことから地域を支える医療機関としての問題と、患者さんを受け入れられないことから売り上げがなくなる経営上の問題があります。どちらも必要なので病棟の耐震補強は極めて困難な課題です。そのため老朽化対策は耐震補強よりも移転建て替えが対策となりますが、どこに移転しても良いわけではなく移転する場合は現病院からの移転距離の制約や敷地の確保などの条件や課題があります。また資材費と人件費の高騰により積立金だけでは対応できない問題も発生しています。病院の収益の改善を図らないことには、建て替えも耐震補強もできないことが老朽化対策の課題です。このことは二つ目の課題である財政の課題ともリンクしています。

二つ目は財政です。現行の診療報酬では病院経営の赤字が続くので、診療報酬の改定が必要になっています。来年6月の改定がどうなるか正式に分かっていませんが、地域医療のための病院経営が成り立つレベルの改定が求められています。また医師や看護師、事務担当職員の処遇改善も必要ですから、診療報酬を改定しないことには経営の自助努力だけでは黒字化は難しいことが課題です。

三つ目は人材の確保です。和歌山市内では医師や看護師が不足しているので、新卒で定員を満たすことができていませんし、中途採用に頼っているのが現実です。この病院では過去、新卒の看護師は5人程度採用していたのですが、ここ数年は1人か2人の採用になっています。理由は和歌山市内で勤務を希望する看護師が不足しているからです。和歌山市内に看護師資格を取得できる大学が二つできていることから、看護師不足は解消されていると思っていましたが、実際は解消されていないようです。大学を卒業した生徒の半数以上が市外の病院に勤務していると聞きました。つまり都会志向が強くて和歌山市内の病院にとどまってくれないようです。このことは医師も同じで、医師不足の状態が続いているので、地域医療の役割を果たすためにも医師と看護師の確保が課題だと言うことです。

以上三点の課題を再度記すと、病棟の老朽化、財政、人材不足となります。いずれも年度単位で解決できるものではなく長期的な課題であり、早急に対応すべき課題でもあります。

和歌山市内には県立医科大学附属病院と日赤医療センターなどの総合病院がありますが、それを支えているのが地元の民間病院です。地域医療を支えている病院の経営が厳しいことは高齢化が進展している和歌山市にとって大きな問題に発展していく可能性があります。本日、病院経営を担っている事務責任者との会議で、病院経営の課題を聴かせてもらいました。これは小説やドラマの世界ではなく、現実に和歌山市で起きている問題です。当たり前のように医療サービスを受けられていることに感謝したくなりますし、この先も地域医療が成り立つしくみを確立することの必要性を感じました。

大阪市内の病院にはない地域医療の課題の深刻さなど、地域医療の実態を知り、解決の必要性を痛感することになりました。

会議の後、関係個所に挨拶に訪れましたが、今後とも地域医療を継続するための取り組みについて検討したいと考えています。

その他
  • 新作落語の創作活動の場に立ち会いました。落語家は専門家や現地の人の話を聴いて落語づくりを行っています。笑いの中に本物の知識を取り入れることでレベルが上がり、笑いを取り入れることで聴いてもらえる落語になるようです。取材現場に立ち会えて勉強になりました。
  • データセンターや蓄電所の誘致に関する会議に参加しました。設備形成と将来への投資は簡単なことではありません。誘致の難しさが分かります。