
海草・向陽同窓会と向陽高校が主催で、「海草・向陽創立110周年記念式典」と記念講演会を開催しました。約1,100名の在校生と卒業生が出席した記念式典は伝統の認識と感動を呼ぶ素晴らしい会となりました。実行委員長として心から感謝いたします。
本日、午前11時30分から松本校長と生徒会長と共に、校門を入ったロータリー内にワシントン椰子を植樹しました。この植樹は海草中学校時代に植樹したワシントン椰子の背が高くなったため巨大台風が接近した時の近隣の安全を考えて伐採したのですが、創立110周年を迎え新しい伝統を築くために行ったものです。そのため伐採したワシントン椰子の種が地面に落ちて発芽して育っているものをきれいに植樹いたしました。このワシントン椰子が伝統と共にこれからの向陽高校の歴史を刻んでくれることを願っています。
私たち三人は植樹をしながら、新しい伝統を植えていることに心が弾みました。いつか大きく成長しているワシントン椰子を眺めたいものです。


12時30分から受付を開始し13時から記念式典を挙行しました。国歌、県歌、校歌を演奏した後に主催者挨拶をしました。私は挨拶原稿は書かないのですが、今回、初めて3日前に原稿を書きあげ、昨日の夜に読み返し、今朝、推敲しました。いつも通りしゃべろうと思っていたのですが、主催の校長先生や教育長の挨拶文を読んで「この伝統ある高校の記念式典だから、挨拶文の準備をして臨みたい」と思ったのです。
私なりに110周年の伝統の重みを感じていることや、在校生に伝えたい言葉があると思い、事前に準備することにしたのです。構成は、伝統の重みを伝えることと、在校生が最も伝統の先端にいることを心に届く言葉で伝える内容を考えました。今朝、読み直して最終の修正を行い、主催者挨拶として言葉を発しました。

創立110周年記念式典の開会は厳かな雰囲気だったので反応を感じ取ることが難しく、どこまで在校生の心に届けることができたのか分かりませんが、向陽高校の伝統と先進性を伝えられたら嬉しいことです。
今日の日はいつもと変わらない日ですが、卒業生であり主催者としては、重要な日と位置付けています。その理由は、伝統は流れていくものではなくて、節目を刻みその時に関係している人が時間をかけて企画を行うことで110年の伝統を意識することができるからです。ここで意識した伝統を卒業生と在校生に感じてもらうことが伝統を共有することだと思いますから、一緒に作業した以外に人と思いを共有するためには言葉で伝える以外にないのです。幸い私たちは高校内の体育館に同じ時間を一緒に過ごしているので、現場感と空気感は共有しているので、言葉も共有できたことだと捉えています。言葉を伝えることができるのはライブの強みです。

この現場感を味わうために向陽高校同窓会東京支部から岡田会長が本校に来てくれていますし、講師であるNHKの藤田さんも来てくれているのです。講師を引き受けてくれた藤田さんは台北や上海で勤務した経験があり「これからの世界をどう生きるか」をテーマに講演を依頼しました。在校生も聴きたいテーマですし、卒業生の私たちも聴いておきたいテーマです。
私の挨拶の後、松本校長の挨拶があり、続いて県議会議長と和歌山県教育長から来賓の挨拶を頂きました。壇上で主催者としてお聴きしましたが、心に届くぐらい伝統の重みを感じる言葉を伝えてくれました。

閉会の後、吹奏楽部とコーラス部が「翼をください」と「ひまわり」の演奏と合唱をしてくれましたが、高校生の歌声に感動しました。卒業生の一人は「感動して二回、涙が流れました。この記念式典に来て本当に良かったです。また母校を訪れる機会を作って下さい」と話してくれました。
令和7年10月10日は海草向陽創立110周年記念式典の日となりました。この一日はずっと記憶に残る節目の年になりました。お世話になっている先輩は「会長、ご苦労様。110周年を見事にやり遂げてくれましたね。ホント良かったわ。次は120周年だから頼んでおくで」と話かけてくれました。出席してくれた卒業生、そして在校生にとってもいつまでも心に残る一日になれば幸せなことです。在校生にとって今日の日をお祝いできるのは奇跡のようなものです。たまたまこの年代に向陽生でいたら、110年の伝統を感じることができたからです。大切に思ってくれることを願っています。

そして記念講演の講師を引き受けてくれたNHKの藤田さん。本当にありがとうございます。在校生に、記者から見た世界を感じてもらえたと思いますし、身に付けておくべき大切な視点を分かってくれたと思います。「逆転しない正義」の一端を分かってくれたなら、向陽生が築く未来は素晴らしい世界になります。どうか輝く未来に向かって生きてください。私たち卒業生はずっと応援しています。