県外から経営者が来県してくれ、こんな話をしてくれました。「発展していない地域の人の常套句があります。その言葉は、『ポテンシャルはあるのだけれどね』。比較的、人口が減少している地域や自然環境に恵まれた地域が良く使う言葉です」という話です。
なるほどと思います。ポテンシャルがあるのなら、一体何年潜伏しているのだろうということです。ポテンシャルがあれば事業者は投資を考えますし、その可能性を見出すはずです。
大型投資がない地域は潜在力があると言うよりも、投資を受け入れないか、投資をしても回収ができない地域と言うことになります。貴重な自然、例えば熊野古道は世界遺産なので開発はできません。世界が認めた世界遺産は開発に相応しくありませんが、恵まれた自然環境があり、滞在型リゾート地を目指すのであれば投資が必要です。投資を伴わないリゾート地はあり得ませんから、残念ながら投資を後押しするだけのポテンシャルはないということです。つまり評論家や広告代理店のポテンシャルがあるという言葉を、鵜呑みにすることはできないのです。
リゾート開発とは自然環境を保全しながら、人が自然を楽しめる環境を創り出すことにあります。どれだけ恵まれた自然環境であっても、観光客が入れないのであれば、収益を生み出すことができないので投資はできないことになります。また自然を維持するにもお金が必要となりますから、ポテンシャルは何を指して使っているのか分かりません。
経営者からは「ポテンシャルがある地域であれば、いつまでも鳴りを潜めていないでとっくに実力を発揮しています。わが国は高度成長期やバブル経済の時期を経て、必要な投資や開発は終えています」ということです。
果たして和歌山県はポテンシャルのある県なのでしょうか。考えてみたいテーマです。
先輩から「帰国しました」と連絡をいただきました。仕事で外国に行っていたのですが、無事に帰国したからです。
「民間外交してきましたよ。国同士の意見が合わなくても、やはり人と人の関係は強いと思います。思い切り歓迎してくれました。日本にいると思うのですが、愚痴や陰口が多いことです。外国では聴くことが少ないのですが、日本にいると愚痴と陰口のオンパレードです。私は陰口には全く賛同しませんし、愚痴を言ってくる人には『愚痴ばかり言って、君には友達はいないのか。自分だけで思っているだけなら良いけれど、氣分が悪くなるので私に言わないで欲しい』と言います。
愚痴や陰口を言って何が楽しいのでしょうか。自分のうっぷんを他人の責任に押し付けて捌け口にしているだけだと思います。誰でも忙しいのだから、そんな人は相手に出来ないですね。外交の場では、意見の対立はあっても相手を尊重しています。尊重していない相手と外交はできないですよ。尤も、愚痴や陰口を言う人に決して役割は回ってきませんが。人のふり見てわがふり直せです」と伝えてくれました。
「公の場で話ができるのは信頼関係があるからです。信頼関係のない人と人が権限を預かって交渉することはできません。特に外交は国と国との利害を戦わせるものなので、信頼できない相手とは話し合いにならないのです。
たとえロシアや中国であっても、韓国であっても相手を尊重して交渉することが外交です。話し合いの場なので、初めから敵対する外交はありません。外交は違う価値観をお互いに譲歩していく作業のようなものです。
そして陰口は相手に伝わりますから、外交で陰口はあり得ませんよ。私たちの信頼関係も同じですから、愚痴や陰口を言う人とは話し合いができないことになります」と話してくれました。