和歌山市資本の住宅会社の経営者との会話のやり取りです。
経営者今年、和歌山市内での住宅着工数は減少しています。
−景気が悪いからですか。土地の価格が上がっているからですか。
経営者土地の価格はそれほど変わっていませんが、資材費と人件費が上がっているからです。
−土地の価格は上がっていないのですか。資材費の上昇は1.5倍ぐらいですよね。
経営者そうです。そのため和歌山市内の住宅の販売価格帯は、従来は2,500万円から3,500万円ぐらいだったのですが、今は3,500万円ぐらいから4,500万円ぐらいになっています。
−かなり価格帯が上昇していますね。
経営者そうです。そのため銀行での住宅ローンの審査が通らないのです。
−住宅ローンが通らないのですか。
経営者残念なことですが、和歌山市の会社の給料水準では4,500万円の住宅ローンが通らないのです。購入資金が借りられないので住宅販売が落ちているのです。
−和歌山市に勤務している人の給料か低いので住宅ローンが通らなくなっているのですか。これは問題ですね。
経営者私の会社の住宅販売数は対前年度比の60パーセントマイナスです。大手住宅会社ではそうではないでしょうが、和歌山市内で住宅を販売している会社は厳しいです。
以上のような会話です。
和歌山市内の会社の所得が低いので、銀行の住宅ローンの審査が通らない問題が起きているのです。土地の価格が上がっていないので担保価値は同じですが、建物が高くなっているので価格帯が上昇しているにも関わらず給料水準が変わっていないので住宅ローンが通らない。この循環が生まれているようです。
では給料に関して、地元飲食店経営者との会話です。
経営者和歌山県の最低賃金が令和7年11月から64円アップの1,045円になります。1時間に1,045円になると会社経営は極めて厳しくなります。これでは会社が持たないです。
−最低賃金が上がると全従業員さんの給料が上がることになるので、正社員さんを始め全体の人件費が上がりますからね。
経営者そうなんです。売り上げは変わらないのにスタッフの人数は同じなので給料を上げられないですよ。国と県は小規模な会社のことを考えてくれていません。
−和歌山県は賃金を上げるための支援をすると議会で答弁しています。地元企業の経営が厳しくなることは明らかなので支援方法を求めていくことになります。
経営者和歌山県が具体的にどんな支援をしてくれるのか質してください。このままでは地元資本の会社は持ち堪えられません。
−今でも外食代は高くなっているので、さらに値上げは厳しいですね。値上げすればお客さんは減少しますし、値上げしなければ人件費上昇で経営が圧迫されることになりますからね。春闘では三年連続でベースアップしているので中小企業でも賃上げすべきことは予想できた事態です。和歌山県も予見できていたはずなので、地元企業の支援方法は検討してきたと思っています。議会で質すことが必要だと考えています。
以上の内容です。先を予見して備えることが県行政の役割ですから、無策であったり不作為は許されません。賃上げに対応できない地元企業があることを前提に、県政での議論をしていきます。
将来、予見できることに対して備えることなく、後手、後手では行政の姿勢が問われることになります。
- 友人の行政書士事務所が今夏開設しているので、事務所見学を兼ねてお祝いに伺いました。新たな船出に祝福です。
- 「認知症世界の歩き方」講演会に参加したこと。誰でもなる可能性のある認知症の世界を説明してくれました。