県企画部から「和歌山県新総合計画」原案の説明を受けました。これは2040年の和歌山県のあるべき姿を描いたもので、和歌山県の長期目標になるものです。
和歌山県の現在は人口減少と高齢化、経済活動の停滞と大企業が少ないことから雇用が少ないこと。AIや宇宙産業、半導体などに代表される先端企業がないことや蓄電所やエンターテイメント系の業種も少ないことか課題です。つまり課題は明確になっているので、これらの課題に対応する施策が求められます。そこで「和歌山県新総合計画」が登場することになります。
和歌山県のあるべき姿、ありたい姿を描くことで実現を目指すことは大切ですが、「では和歌山県の目玉となる施策は何ですか」との問いに対して、当局からの明確な答えはありませんでした。代表的な施策を絞れないので答えられないことは理解しますが、一つ、二つは「これは凄い」と思える施策の記述が必要です。このことが大学生から「和歌山県の方向性が分からない」という意見であり、「和歌山県は何を目指しているのか分からない」という事業者からの意見になっているのです。
例えば希望が持てる目指すべき姿となり得る施策は次のようなものが考えられますが、「和歌山県新総合計画」には記載がありません。
- 紀淡海峡大橋の実現による第二国土軸の形成
- 四国新幹線の実現で九州と和歌山県を結び関西のゲートウエイとなる
- 日本最大級の蓄電所の建設による災害に強い県土づくり
- 関西で唯一の洋上風力発電所の建設と基地港の実現
- 国際大会が可能なeスポーツ施設の建設
- プロ野球やプロサッカーチームが試合ができる国際大会の誘致が可能なスタジアムの建設
- 和歌山リゾートとして「和歌山IR」の実現
- 日本最大規模のデータセンターの建設
- 東京大学と連携した西日本全体をカバーできる最先端の防災システムの実現
- eコマースに対応したライバースタジオの設置と活用
- 熊野白浜リゾート空港の国際線定期便の就航によるアジアのゲートウエイとなる
- 宇宙関連産業の誘致による産業振興
- 「JAXAスペースティーチャーズ和歌山」の活躍による宇宙教育の実施
私がざっと考えるだけでも13項目あります。いずれも県議会一般質問や委員会などで取り上げてきた施策ですが、いかがでしょうか。和歌山県の将来に期待が持てる施策だと考えています。全ての施策に期待が持てますし、本気で目指すべき和歌山県の姿だと思います。
もちろん実現可能かどうかは本気の取り組み次第ですが、やろうとすれば実現は可能ですし、やらないと思うなら間違いなく不可能です。可能と考えるか不可能と考えるかによって和歌山県の将来の形は変わるのは当然ですから、まだ誰も想像もできない2040年に向けて挑戦すべきです。
徳川御三家の時代、200年先に紀州がここまで落ちぶれているとは想像した人はいなかったと思います。明治維新直後は和歌山県は日本有数の県であり、将来、多く県勢を現わす指標で40番代に落ちているとは誰も想像できなかったと思います。でも現実は現在の姿ですから、自信と誇りを失っているのも事実です。
しかし2040年に和歌山県が停滞していると思ってはいますが、発展している可能性はあるのです。100年後に日本を代表する県になっていることも、あり得ないことではありません。繁栄から没落の歴史を歩んできた和歌山県ですが、繁栄した実力がある県だから逆の場合もあり得ると思います。
そのためには基礎から始める現在が大事なのです。「和歌山県新総合計画」に記載していない施策は、当局は本気でやろうと思わないはずです。記載するから本気になって取り組めるのです。書かなくても「状況変化があればその時に考えたらよい」ではなく、書かなければ「実現しない」と思って仕上げて欲しいこの総合計画です。
本日、企画部から説明を受けて感じたことです。
三菱電機労組にお招きをいただき県政報告を行いました。今回は県議会の果たす役割と和歌山県の将来に期待できる施策について説明した後、参加者の皆さんと意見交換会を行いました。
皆さんからの主な意見と私の解釈は次の通りです。
JR和歌山駅の再開発は不要だと思います。JR大阪駅のような人が集まり行き交う都会であれば必要だと思いますが、JR和歌山駅はそうではないので建て替える必要はないと思います。それよりも紀南の振興に努める方が良いと思います。紀南は熊野古道があり和歌山県観光の聖地であり、この地のリゾート開発が必要だと思います。
今、熊野古道をガイドの案内つきで歩く外国人観光客が増えていると聞きました。単に歩くだけではなく、歴史と精神文化の説明をしてもらい一緒に歩くコースが人気のようです。
これが熊野古道の神髄です。日本人が有する精神性を熊野古道で体験することができます。歩くだけではこの精神性は理解できないので、語り部の案内と共に歩くことに人気があることは理解できます。熊野古道を世界遺産にするための博覧会に携わった一人として嬉しい意見です。
そこで世界遺産地域はそのまま保存し、現在の観光地にリゾートホテルを誘致することが必要です。世界の代表的なリゾート地は海と夕日がある場所ですから、紀南も条件に当てはまります。和歌山県を訪れた外国人観光客が海沿いに並んだリゾートホテルに宿泊、中期滞在して世界遺産を歩く。これが南紀熊野リゾート博が求めたものです。未だ実現までの途上ですが、登録されることが難しい世界遺産が既にあるのだからやるべき価値があります。
世界遺産に登録されるのとリゾートホテルを建設することを比較すれば、世界遺産に登録される方が遥かに難しいのです。紀南にはその世界遺産があるのです。
欧州の観光客がその価値を見出して訪れている熊野古道ですから、ここにリゾートホテルがあってもしかるべきです。鳥瞰すれば、世界遺産の近くにリゾートホテルがないことが不思議なほどです。私たちはまだ世界遺産の本当の価値を分かっていないのかも知れません。JR和歌山駅は和歌山市の拠点だけではなく、世界遺産の入り口になる機能を持たせることで必要になります。
世界遺産の価値を専門家だけではなく、世界中の観光客にももっと理解してもらうための取り組みが必要だと思います。
そのためには世界で知名度のない和歌山県を知ってもらうことが先決です。外国人観光客からすると、和歌山県は東京、富士山、大阪、そして京都を訪れた人が、その後に何度か日本を訪れた後に来てくれる県という位置づけです。先に記したゴールデンルート、東京から金沢、岐阜から名古屋に抜ける第二のゴールデンルートを訪れた後に来てもらえる県なのです。
だったらその訪れたくなる順位を上げることが必要です。外国人にも注目され「和歌山県に行く」と動機付けになる施策と共に紀南観光があります。和歌山県全体を鳥瞰すると、和歌山市は企業誘致とエンターテイメント、紀南はリゾート観光に特化することで道は切り開けると確信します。
県政報告と共に意見交換会の時間を持つことで、更に施策の考え方や取り組むべき内容が深まります。良い県政報告会になったこと、深く感謝いたします。
- 和歌山市中学校PTA連合会から「和歌山県高等学校入学者選抜実施に関する要望」を受けたこと。
- 同僚議員の大学生インターンシップの彼を紹介してもらったこと。インターンシップ体験者同士で会う機会を作ることも良いかなと考えています。