会社で障がいのある方を雇用している経営者と懇談しました。挨拶のため会社を伺い、和歌山県の将来に希望のある施策や最低賃金などについて話し合いました。その中で最低賃金に関しての意見です。
「最低賃金が上がることは働く人たちの生活の安定のため必要なことなので反対ではありません。しかし最低賃金の上昇幅に関しては意見があります。政府は最低賃金を1,500円まで引き上げる方針を打ち出していますが、地方の会社のことまで考えての発言なのかと思います。地方都市の中小の会社は、今でも経費が事業を圧迫しているので厳しい経営環境です。経費を切り詰めていますし無駄なことはしていません。せっかくご縁をいただきうちに来てくれている社員の皆さんの給与を上げたいので、私の会社では全社員とも毎年昇給しています。昇給すると後戻りできないので年間の負担が増えますが、やりがいと感謝の氣持ちを表すために必ず昇給しています。仮に数千円の昇給でも一年間にすると数万円の負担増となりますから、小さな会社では苦しいのです。
私の会社ではA型作業所も持っているので、障がいのある方に来てもらっています。彼らは頑張ってくれているので恐らくほかの作業所よりも時給を高くしていますが、もしこのまま最低賃金が上がり1,500円になれば、彼らを雇用できなくなります。元請けからの請負金額を上げてもらわない限り、人件費だけが高くなれば雇用できなくなります。最低賃金は会社の業績が上がることが前提ですが、それがないのに最低賃金だけを上げろというのはできない相談です。
地方都市の小さな会社の厳しさを知らない政府、官僚が考えた机上の話にしか思えません。会社の利益が減少すれば雇用も護れなくなります。最低賃金を上げる答申をするのであれば、大企業はできるとしても地方の小さな会社はついていけないことも分かって議論を行い、答申をして欲しいと思います。
このペースで毎年のように最低賃金が上がれば地方の小さな会社は『倒産しても良い』と言っているようなものです。最低賃金と小さな会社の行政からの支援は同時だと思います。
メーカーや仕事をいただいている会社に、請負価格を上げて欲しいとは言えないのです。国や県にはメーカーや大手企業に物価や賃金上昇に見合う請負金額を提示するよう指導してくれないと、地方の多くの会社はつぶれます。また最低賃金を上げるということは経営者としては、給与を上げるのだから作業効率を高めるようにと指示しなければなりません。時給1,000円の仕事と、1,500円の仕事では求める成果が違うのは当然のことです。最低賃金を上げることは仕事のレベルを上げることになります。慈善事業でない限り賃金を上げるのであれば仕事の成果を求めることになります。政府は、民間企業は懸命になって利益を上げ続ける取り組みをしていることを知らないのではないかとさえ思います」と言う意見です。
最低賃金を上げることは賛成ですが、同時にその原資を得られるよう地方の小さな会社が利益を上げられるしくみを構築すべきだということです。メーカーや大手企業が下請け会社に対して、従来通り請負金額を抑えた単価で仕事を発注するようでは最低賃金を上げ続けることは困難です。社会の請負構造のしくみを変えていかなければ最低賃金は上げられないことを理解して答申をして欲しいと思います。
夏の現場作業についてたくさんの意見をいただいています。今日も意見を伺いました。
「建設現場の仕事をしていますが、酷暑の今年の夏は仕事がきつくて疲労が蓄積しています。このまま現場作業を続けていると事故が発生することや、死者がでるかも知れないと思います。夏の甲子園大会では試合を午前と夕方の二部制にして昼間の試合をなしにしています。それほどの酷暑なのですから建設現場の作業も昼間は中断するように取り決めをして欲しいと思います。ゼネコンや大手建設会社では昼間の作業はしていないようですが、下請け現場では、今夏の暑い昼間でも作業を続けています。酷暑の夏は毎年続くと思いますから、早く法整備をして早期に酷暑対策を講じて欲しいと思います。下請けの人間から元請けの会社には言えませんし、和歌山県や和歌山市にも言えません。現場の声を届けてくれたら有難いです。
酷暑の今も、昼間の現場作業は続けられています。自分たちの意思で昼間休みを取ることはできないので、小さな会社まで浸透するような夏の暑さ対策として昼間の現場作業は中断することを徹底して欲しいと思いますし、元請けに対する罰金などの措置も講じてくれるようお願いします」という意見です。
夏の現場作業は危険であり事故の恐れがあることを実感しています。この問題は認識していますが、地方ではまだまだ浸透していないようなので、酷暑時の昼間の現場作業を中断することを改めて依頼していきます。
- 海南市長の奥様がお亡くなりになったのでお悔やみに参列しました。心からご冥福をお祈りしています。
- 家計調査における注意点について意見を申し入れしました。注意点を改善するように依頼しました。
- 障がい者の避難行動についての講義を依頼しました。津波警報が発令された時、障がい者の避難のあり方に困った方々からの依頼です。
- 熊野古道と台湾の古道との観光交流に関して話を交わしました。両古道の観光振興につながれば嬉しいことです。