活動報告・レポート
2025年8月16日(土)
座談会

若い皆さんとの座談会に出席しました。この座談会は定期的に開催しているもので、若い人たちの意見を聴く大切な機会となっています。本日の主な意見は次の通りです。

  1. 県議会を傍聴した感想について

    初めて和歌山県議会を傍聴する経験をしました。熱心に質疑を交わしていることを感じましたが、質疑に立っている人以外の人から県政にかける熱意は感じませんでした。私は「この人たちが県政を担っているのかと思って、和歌山県の将来は大丈夫だろうか不安になりました」という感想です。「この人たちに任せて大丈夫だろうか」と感じた理由を尋ねると「熱意が感じられなかった」「質疑を交わしている課題に対して一緒に県政をやっていこうという感じがなかった」などの理由でした。

    「また寝ている議員さんもいたことに驚きました。SNSで『議会で居眠りしている議員がいる』と見ることがありますが、本当にそんな議員が存在していることに驚きました。私の会社だったら、社長が出席している役員会で居眠りしている人がいれば首です。議会は県の方向を決める役員会のようなものです。その大事な会で居眠りをすることはあり得ないことですし、そんな役員がいたら首か更迭ですね。和歌山県の代表だから、県を背負っている考えで議会に挑んで欲しいと思います。今は緩んでいると思います。議長は進行役だと思うので、議長は何故、居眠り議員や雑談をしている議員を注意しないのでしょうね。会社では考えられないことなので不思議です」という感想です。

    つまり議会で感じた空気に熱意がなかったということです。初めての議会傍聴の経験で感じた直観ですから、とても素直なものです。

  2. AI会社社長の話について

    和歌山市内でAIの仕事をしている会社の社長からの意見です。

    「和歌山市は不思議なところです。私の会社には東京や大阪の会社から問い合わせや仕事の人らが多数来ているのですが、和歌山市からの依頼はゼロです。市内の会社からAIの仕事は一件もありません」という意見です。

    よほどデジタル化が遅れているのか、仕事内容がAI活用まで至っていないのか分かりませんが、これだけでも遅れていることを伺い知ることができます。

    続けて「依頼のある仕事を全て請けたいのですが、肝心のエンジニアがいないのです。新規に採用をしたいのですが、和歌山市内では人がいないのです。ですから今いる人員で仕事を請けているので、新規の仕事は断らざるを得ないのです。依頼をくれている旧知の会社の社長からは『前回の時から2年も経っているので、ある時の感覚から考えると20人ぐらい雇用して会社の規模も大きくなっていると思っていました』と言われたことがあります。会社の規模を大きくするために仕事を請けたいのですが、人材がいないので新規に請けることができないのです。エンジニアがいれば雇用したいのですが。現実として、東京から和歌山市に来てくれるエンジニアはいません」ということです。

    東京で働くエンジニアの年俸は最低2千万円ぐらいなので、和歌山市内の会社で、同条件で雇用することは困難です。残念なことですが、仕事があっても請けられないので会社の規模を大きくできないのです。

    会社のデジタル化やデジタル人材の育成と言いますが、実際は簡単なことではありません。大手クライアント企業が求めるスキルは一流のものですから、それに対応できる人材がいなければ仕事は東京に行くことになります。デジタル人材の育成と和歌山市に留まってもらうことが課題です。

  3. 和歌山県が何を目指しているか分からないことについて

    新しい知事になって和歌山県が何を目指しているのか分からないですね。岸本知事や仁坂知事の時は発信してくれていましたが、今は県政の発信力が弱いと思います。和歌山県の何を大事に考えているのでしょうか。「こどもまんなか社会を目指す」は余りにも抽象的ですし、イメージがわきません。その問題を言うなら、きょうテーマの一つになった自立援助ホームの子ども達の問題を解決して欲しいと思います。子どもを放置しておいて県が支援してくれないようでは「こどもまんなか」とは言えないでしょう。政策がないことに懸念していますし、政策論争になるような大きな政策がなければ和歌山県に将来はありません。

    仁坂知事は企業誘致を重点にして和歌山県の経済の足腰を整えようとしていました。岸本知事は、それに加えて子どもに生きる力を与えようとしていました。現在の知事の政策は岸本県政の踏襲ですが、人は誰でも同じ感性ではありませんから踏襲した場合、その力は小さくなります。独自色を打ち出すことが、この先、和歌山県が何を目指しているのかの判断材料になります。