叔母さんの四十九日の法要を執り行いました。お亡くなりになってからの時間の経過を早く感じます。親戚が集まって法要を行いましたが、仏教界では「四十九日をもって人生が終わる」ということを教えてもらいました。法要の後、お墓にお参りしましたが、お寺から墓地までの歩く道には小さい頃の記憶があります。
「ここが無縁仏さん」と案内された時、小さい頃は何故か怖く感じたものでした。砂地の墓地を歩くと違う世界にいるような感じがありましたし、一番奥にあるお墓に辿り着くとホッとした感じも覚えています。一度も会ったことのないお祖父さんとお祖母さんが眠っているお墓ですが、感謝の氣持ちでお参りしました。安らかにお眠りください。
県外に進学した子どもを持つ母親から話を聞かせてもらいました。
「片桐さんの活動報告を呼んで『和歌山県のこと』が書かれているページを見つけました。私の息子がこんな話をしているのですが聞いてくれますか。
大学生なので帰省するのは時々ですが、帰ってきた時に言うことがあります。和歌山県はどこに進もうとしているのか全く見えません。若い人にとって魅力がないと思います。県としてどの方向に進もうとしているのか。何を目指しているのか見えてこないのです。これでは、卒業後に和歌山県に戻るという選択肢は出てきません。和歌山県の将来の方向性を、若い人に分かるように、希望が持てるように明確に示して欲しいと思います。
また和歌山県にはエンターテイメントが少なすぎます。エンタメに溢れている都会と比較するようなことはしませんが、余りにも少ないと思います。費用対効果があるので和歌山県で興行するのは厳しいと思いますから仕方ないとしても、やり方があると思います。
例えばビッグアーティストがコンサートをする時、なかなかチケットが取れないことや、和歌山市にいても臨場感のあるコンサートをライブで鑑賞できるように、映画館でコンサートのライブ配信をして欲しいと思います。同様に和歌山県ではスポーツ観戦の機会も少ないので映画館でスポーツの試合のライブ配信をして欲しいと思います。音楽やスポーツは若者文化の一つであり関心事項です。和歌山市にいるとライブ観戦する機会はありませんから、映画館の活用を図って欲しいと思います」という意見です。
納得できる話です。地方都市に共通していることはエンターテイメントに欠けるということです。ビッグアーティストのコンサート機会は少ないですし、プロスポーツ観戦の機会も少ないのです。野球、サッカー、バスケットボールの人気のある三種目のプロチームの試合観戦ができない、数少ない県だと聞くことがありますが、確かにその通りだと思います。
前段の「和歌山県はどこに進もうとしているのか」の大学生の問いかけには、県政として真剣に対応する必要があります。地元から県外に進学した学生でさえ「和歌山県が進もうとしている方向が分からない」と言っているのです。生まれ育った県が「進もうとしている方向」が分からなければ魅力は感じませんし、地元に戻って仕事をしようと思いません。
方向性が示されていないので、起業しようとしても「和歌山県に戻っても起業やAI技術の支援はしてくれるのだろうか」と調べますし、エンターテイメントの仕事をしたいと思っても、その分野の仕事がありません。
和歌山県がこれから先、進むべき方向を明確に示し、実現に向けた行動を見せなければ、若い人は戻ってきませんし、まして県外から和歌山県に就職してくれる人はほとんどいないと思います。
例えば、「和歌山県は5年先にAI先進県日本一を目指します。若い人たちの起業できる環境を整えます。投資家の皆さんにも関心を持ってもらいます」だとか、「和歌山県のエンターテイメント実現のために『和歌山IR』を実現します。大物アーティストのコンサートやeスポーツの世界大会開催、スポーツの国際大会を開催できる県になります。もちろん統合型リゾートなのでここで働ける環境も優れたものになります」など明確に方向性を打ち出すべきです。
「和歌山県の子ども達が笑顔になって県外に進学し、そのまま進学した学校のある都道府県で就職するような和歌山県になっていませんか」ということです。若い人は、このような和歌山県の姿を分かっているのです。
県外に進学した若い人たちの声に応えるのは県政の役割です。繰り返します。「和歌山県はどこに進もうとしているの」。