活動報告・レポート
2025年7月25日(金)
和歌山県の特性
東京から和歌山県に来てくれた方々と「和歌山リゾート」について会議を行いました。
冒頭「和歌山県は涼しいですね」と挨拶をしてくれたので「今年は特に暑いですよ」と応えると「東京は湿気があって、もっと暑いですよ。和歌山市は風が吹いているので、この程度の気温なら自転車で80kmは走れますよ。北海道は暑くて避暑のため沖縄に出掛けているほどですから、今年の気温は異常ですね」と話してくれました。
さて全国各地を事業で訪れているので、和歌山県の良いところとそうでないところを説明してくれました。
- 和歌山県は企業が少ないのは受け入れる姿勢が弱いからだと思います。上場企業は必要以上の本気で事業拡大に取り組んでいますから、行政も必要以上の本気が必要です。熱心に企業誘致に取り組み成果を上げている県は、その気概を持っています。和歌山県には、この必要以上の本気が足りないと思います。つまり本気以上の本気で誘致しないことには、企業は、特に上場企業は進出してくれないということです。
- 和歌山県はリゾート環境も良いので魅力的で良い県だと思います。但しプロからすると、「観光は作るもの」ですから、そこが足りないと思います。観光はあるものを維持と管理するだけではリピート性がありません。世界の観光地を研究すると分かりますが、「観光は作るもの」です。その視点を持つと和歌山県の観光は人を呼び込む力があります。
特にリゾートは一度きりのお客さんを狙うのではなくて、繰り返して訪れてくれるお客さんを増やすことです。リピーターのいないリゾート地はあり得ません。如何に常連のお客さんを創り出すかの視点が大事です。和歌山県は観光地ですが、世界水準のリゾート地ではないように感じます。ここに手を加える必要があります。 - 人口が減少していくと、今まで以上に仕事のあるところや稼げるところに人口が集中していきます。和歌山県の場合は和歌山市に集中することになり、街では過疎化が進展すると予想できます。今から和歌山市を中心とした産業、仕事を本気で考える必要があります。その危機感が少ないように感じます。
- リゾート客のためにサービスの幅を広げる必要があります。誰でも同じですが観光客が外国に行くと日常生活よりも多くのお金を使います。飲食は美味しいもの、ゆったりとした席で食事ができるお店を選びます。そうすると価格帯が高いメニューの飲食店を選ぶことになります。一般的に高いお店はサービスレベルが高く、美味しくて、そして空いているから待ち時間が短くて済みます。和歌山県として世界のリゾート地の考え方を採り入れることも検討課題です。
- 民間投資を受け入れることは何よりも大事なことです。通常、よほど魅力的な場所か収益性の高い土地でなければ企業は投資しません。半島に位置する和歌山県は不利な土地に数えられると思います。魅力的な場所はリゾート性を感じられるので和歌山県は投資対象になり得ます。但し、魅力的かどうかは事業者の主観が入りますから、必ずしもそうとは限りません。東京や北海道が魅力的と感じる事業者がいれば、和歌山県が魅力的と感じる事業者もいます。但し圧倒的に前者の比率が高いと思います。
また収益性を条件にすると東京や大都市になりますから、残念ながら和歌山県は不利になります。事業者が考える投資対象には特性があるので、和歌山県が劣っているという考えではなく、あくまでも収益性の高い投資対象県ではないというだけのことです。
和歌山県が魅力的だと考える事業者に対して、必要以上の本気を示すことが和歌山県として必要なことです。 - 知事や市長は判断していくことが役割です。選択肢が示されたら「やるかやらないか」を判断すること。「やる」と決めたらスケジュールと体制と予算を組んで、従来以上の必要以上の本気で取り組むことです。
「やらない」と判断したら将来の可能性がある代替案を示し、そこに取り組む意思を示す必要があります。トップの「やらない」という判断は、その分野の将来の可能性を閉ざすものですから、代替案を示すべきなのは当然のことです。企業のトップが成長戦略を示さなければ企業は衰退していきます。行政は企業と比較して考え方が甘いので、具体的な取り組みを示さなくてやっていけるのです。県が財政危機警報を出しても、県民は直接的な被害はありません。県がやるべきことは財政危機警報を発令するのであれば、歳入を増やす方法を示すことです。
主な意見は以上の通りです。東京から見た和歌山県。企業から見た和歌山県。そんな視点で評価してくれました。和歌山県の現状が良く分かります。