活動報告・レポート
2025年7月18日(金)
統合型リゾート追加投資の話

統合型リゾートについて話を聞く機会がありました。「どの国の統合型リゾートも、毎年のように追加投資をしています。リゾート施設ですから新しいアトラクションや設備更新をしていく必要があります」と話してくれました。

東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンが毎年のようにアトラクションを変更しているのと同じです。わが国を代表するリゾート施設であっても、アトラクションや設備更新をしなければ、お客さんに飽きられるからです。

その例として、シンガポールの統合型リゾートである「リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)が、任天堂マリオが主役のテーマパークやホテルを新設する計画があり、5年間の投資額は3,700億円です」と話してくれました。

追加投資が5年間で3,700億円と聞いて驚きました。毎年、700億円を超える投資があるのですから、当該地域経済は潤います。この記事は次のようなことです。

「シンガポールのセントーサ島で『リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)』を運営するゲンティン・シンガポールがこのほど、5年間にわたる大規模拡張計画に着手した。ユニバーサル・スタジオ・シンガポールにテーマゾーンを2つ新設し拡張するほか、大型の海洋博物館(シンガポール・オーシャナリウム)を建設。総投資額は45億シンガポールドル(約3700億円)に上る。

ユニバーサル・スタジオ・シンガポールには、ミニオン・パークのほか、日本の任天堂をテーマとしたスーパー・ニンテンドー・ワールドを新設する。スーパー・ニンテンドー・ワールドにはマリオなどのキャラクターが登場し、ゲームの世界観を楽しめるようにする。さらに、海沿いのエリアを『ウォーターフロント・ライフスタイル・コンプレックス』として一新。合計約1000室を備えるホテル2軒も新たに開業する。

RWSはセントーサ島の中にテーマパーク、水族館、ホテル、カジノ、レストランが集約された統合型リゾート(IR)。2010年の開業以来、シンガポールへのインバウンド客の3人に1人、年間2000万人が訪れている」というものです。

日本の統合型リゾートのホテル客室のモデルケースは2,500室ぐらいですが、数年経過した後にリフォームしていきます。一年間でリフォームできる部屋数は約500室なので、全てを改修するのに5年が必要となります。つまり部屋のリフォームだけで5年分の仕事があるわけです。このリフォームは地元事業者が請負いますから、地域経済に威力を発揮することが分かります。

それ以外のところも設備更新をしていくので、毎年、投資が生まれます。初期投資だけではないのがリゾート施設の特長ですから、この効果も認めなければなりません。

ところでおさらいですが、統合型リゾートとは次のようなものです。

  1. 統合型リゾート(IR)は、ホテル、カジノ、劇場、ショッピングモール、国際会議場などの複合施設を含む観光施設のことです。
  2. IRの導入により観光産業の活性化や地方経済の発展が期待されています。
  3. IRのカジノ部分は全体の床面積の3%以下に制限されており、ギャンブル依存症対策も講じられています。
  4. IRは観光客の誘致やMICE「会議、報酬旅行、国際会議、展示会」の振興を目的としています。

続いてこれまでの日本におけるIRの歴史です。

  1. 2016年12月にIR推進法が成立、法整備が進められました。
  2. 2018年7月にIR実施法が成立し、全国で最大3カ所のIRが整備されることが決定しました。
  3. IRの導入は、観光産業の振興と地方経済の活性化を目的としています。
  4. IRのカジノ部分は、全体の床面積の3%以下に制限されています。
  5. IRのカジノ部分は、全体の床面積の3%以下に制限されています。

以上です。