
日印交流の機会として、マハラシュトラ州ムンバイからTanayaさんが来日してくれています。「日本国際ユースキャンプ」プログラムで来日したTanayaさんは、和歌山市に滞在することになったのです。途中、広島県や大阪市にも体験と研修に行きますが、和歌山県内では白良浜や道成寺、高野山や熊野古道などを案内することにしています。
本日はインド料理店の「ガンジー」で昼食を取り、和歌山県議会の説明と議場案内、続いて和歌山県とマハラシュトラ州との友好関係を説明しました。

「ガンジー」を訪れるのは初めてですが、経営者を始めスタッフ全員がインド人で、「和歌山県にインドから来賓があれば来てくれる」ということでした。私は和歌山県の紹介で訪れましたが、楽しい会話を交わすことができました。インドでは食事のときは温かいチャイティを飲用する習慣があり、冷たいチャイティは飲まないそうです。また基本的に冷たい飲み物は飲まず、飲むとしてもコーラぐらいだと話してくれました。
2013年10月に和歌山県と同州は、観光と農産物加工分野における相互経済関係の促進と拡大のため5年間のMOUを締結しています。それ以降、交流を続け2023年2月に岸本知事が同州を訪問し、MOU10周年記念式典に参加しています。
友好関係の印として、2015年9月、副首相が高野山大学を訪れ、同大学の敷地内に建立されたインド憲法の父と呼ばれているアンベードカル博士の像の除幕式を行っています。

続いて高野山大学とババサヘブ・アンベードカル・マラサワダ大学とMOUを締結しました。それ以降毎年4月に生誕をお祝いする式典が開催され、双方の県と州の交流の基礎となっています。
Tanayaさんが和歌山市に来てくれたお陰で、和歌山県とマハラシュトラ州の交流の歴史を再確認することができました。来日する中で、和歌山県に来てくれたこともご縁だと感じています。
インドは暑いイメージがありますが「日本の方が暑い」と感想を話してくれました。ムンバイの現在の気温は28度ぐらいなので、「和歌山県の夏はとても暑い」ということです。インドよりも暑い日本に驚きますが、両国のエネルギー消費量の違いもあるように感じます。

さて県庁の後は磯ノ浦を訪ねました。
海の見えるところのリクエストがあったため、関西有数のサーフィンのメッカである磯ノ浦を選んだものです。平日にも関わらず車が多く、海では多くの人がサーフィンを楽しんでいました。Tanayaさんは「和歌山市の自然はきれいです」とその美しさを称えてくれました。他に行きたいところを訪ねたところ「火祭り、奈良や京都の神社」だと答えてくれました。また日本のアニメにも関心があり「日本でアニメグッズを買うことを楽しみにしてきました」と話してくれました。
案内していて感じたことは「時間感覚がゆったりしている」ことです。予定時間は予定であり、必ずしも間に合う必要はないと思っているように感じます。予定時間はあくまで予定時間であり、それに合わせて用意をすることや、その前に訪問したところや食事をしている場合、その時間が貴重な体験や良い時間であれば、滞在時間をオーバーしても、「ここにいる」という選択をしているようです。この時間はこの時だけなので、楽しい時間であれば今を大事にするという感覚があるように思います。私たちは、今打ち合わせをしていても、次の予定時間が迫ってくると焦り始めますが、インド人は焦るよりも今の時間を大事にしようと感じているようです。これは決して日本人にはない感覚です。
どちらが良いかは議論しても始まりませんが、GDPではインドが日本に迫っている現実があります。社会の価値が異なるだけで、経済活動とは関係ないのかも知れません。

そしてこの日の最終が志摩神社の夏祭りでした。日本の夏祭りを珍しく感じたのか、写真や動画撮影をしながら歩いて境内に入っていきました。宮司さんが配慮してくれて神殿の案内やお祀りしている神様の説明をしてくれたので、熱心に質問をしてくれました。そこで尋ねたところ「神社には関心がある」ということたでした。
暑い一日、和歌山市内を案内したことで疲れもあったと思いますが、元気に歩いて話をしてくれました。滞在中はしっかりとおもてなしを行い、和歌山県の印象を良くしたいと考えています。