定例開催している「令和会」に出席しました。今回の研修テーマは、先の県議会一般質問で質疑を交わした「教育問題」と「和歌山県経済の活性化」および「米価格」などでした。
このテーマになったのは、私の質疑の議会傍聴に来てくれた令和会会長からの提案で「私が片桐さんの議会傍聴に行ったのですが、平日にもかかわらずたくさんの方が来ていたことに驚きました。こんなに県議会に関心のある人がいるのだと思って質疑を聴きました。片桐さんの質疑を聴いてなるほどと思いました。教師へのハラスメントの問題はこれまでと異なる酷さがあり、学校内の問題と言うよりも警察問題だと思えるものでした。ハラスメントは犯罪ですから、警察問題にした方が解決できると思いました。この点について片桐さんから説明をお願いします。もう一つが和歌山県経済の活性化として『和歌山IR』を提案していたことです。残念なことにかつての賑わいがなくなり、経済も疲弊している和歌山県ですから、このリゾート施設の誘致は必要だと考えています。前回、否決されて以降、これまで誰も県議会で取り上げてこなかったテーマなので、片桐さんが思い切って取り上げてくれたと思いました。長崎県ではジャパネットたかたがサッカースタジアムを建設して、スポーツ振興と共に地域で人の交流と賑わいを創出しています。民間企業が巨額の投資をしてくれることで地域が賑わっています。もちろん同社はサッカースタジアムの活用で利益を得るためのしくみを構築していると思いますが、それで地域の経済循環が発生しているので良いことだと思います。和歌山県でそれに匹敵するような民間投資はないと思うので、是非とも実現して欲しい取り組みです。この件に関しても説明をお願いします」と挨拶がありました。
このふたつのテーマについて説明を行い、その後の意見交換に入りました。
説明内容は割愛しますが、意見交換では、学校の育友会役員をした経験のある人からハラスメントの経験談の話がありました。学校内で処理しようとするから思い切った解決ができないことがあります。弁護士や警察に相談することで解決に向かう事例もありますから、内内で解決しようとすることなく、弁護士に相談できるしくみを確立したので相談しながら対応することや、場合によっては早期段階から警察に相談することが必要だと思います。また初期対応に必要なこととして、学校の代表電話に録音機能を持たせることが大事だということです。初期対応で問題に発展することもあるので、最初の段階から録音しておくことで後々の対応につなげていくことができます。次年度での予算化を目指しています。
また「和歌山IR」に関しては全員が賛成でした。やはり経済と雇用、地元産業や飲食店などへの影響があるからです。和歌山県経済と将来を考えると大型の民間投資が必要で、現時点でそれに代わるものは見当たりません。可能性があるものであれば積極果敢に挑戦すべきです。和歌山県に経済力があれば、発展が予測できる事業があれば、検討する時間はありますが、今の和歌山県にも、将来の和歌山県を考えても余力がないのは明らかです。
結果はともあれ議論を行うための土俵をつくり、皆さんの意見を聞くことが必要です。
何の行動も起こさないようでは、将来の可能性すらなくします。出席者の皆さんからの意見も同じです。
この中で事例を紹介してくれました。
小さな村がありました。村には塾がなかったので村に対して大手の塾が進出を申し入れました。塾としては「村の子ども達の学力向上のお役に立ちたい」という思いからでした。利益を最大限に重視するのであれば、都会で新規開業を目指す方が効率は良いのですが、村の子ども達のためにと思っての進出の依頼でした。
ところが村役場からは塾ができると「行き帰りに交通事故の危険性がある」ことや「夜間の帰り道は危険」「村の外部の資本なので責任はどうするのか」などの指摘がありました。
塾が進出する前から役場は心配の意見ばかりを伝えたのです。本質的な議論は子どもの学力向上ですが、それ以外の部分で心配と白紙の状態から検討することになったのです。
本末転倒とはこのことです。大手の塾は村のために進出するのだから歓迎してくれると思っていたところ、役場の心配度合いが高すぎたため、進出を取り止めてしまいました。
勉強できる機会をなくした子ども達が気の毒です。役場からの否定的な意見によって、子ども達が塾に行くか行かないかの選択機会が失われたのです。都会との学力差を縮めるチャンスでしたが、役場がその機会を壊したのです。子どもを交通事故のリスクから護った、夜道を子どもが帰ることの危険性を防いだから行政としての役割を果たしたと言えるでしょうか。そうとは思いません。役場が子ども達の学ぶ機会を失わせたのです。出来たからと言って、行くか行かないかは子ども達の自由です。
ここで役場がやるべきだったことは、保護者や子ども達、村人の意見を聴いて「心配があっても、やると勇気をもって判断すべき」だったのです。やる前の心配事は解決できる程度の問題に過ぎなかったのです。
この事例と同じ状態にあるのが和歌山県です。「和歌山IR」が来ると「交通渋滞が発生する」「依存症がでてくる」「治安が悪化する」などの理由を並べて白紙と答弁していますが、心配事を前面に出して県民の皆さんの意見を聴く機会を閉ざすことが行政のすべきことかと思います。心配事があると思うのであれば「聞いてみる」「対応できるか検討してみる」などの行動が必要です。大きな施策に関して心配事を前面に出して行動しない行政である限り、県の発展も将来の可能性もありません。行動することなく可能性を閉ざすことは、よくない保守の考え方です。この問題で議論を交わしたところ、「和歌山県発展のために実現して欲しい」「期待しています」「やり遂げて欲しい」「誰が反対しているのか」「反対する理由はやれば解決できるものではないか」などの意見をいただきました。
またJR和歌山駅周辺の再整備では「和歌山駅周辺の鉄道の高架を実現して欲しい」と強い意見がありました。「和歌山IR」に合わせて、JR和歌山駅の高架事業も進めることが、まちづくりだと思います。和歌山県にチャンスは多くは巡ってきません。チャンスの女神の前髪を掴かめるかはこの数か月の間だけです。
参加者の皆さんと、良い議論が交わせたことに感謝しています。
- 和歌山大学経済学部支部役員会に出席し、役員と学部の先生方との交流と懇親を深めました。次回は役員を対象とした経済学の授業を計画したいと考えています。
- 迷惑に関する相談に対応したこと。日常生活に影響するような迷惑行為を聴かせてもらいました。今週末に再度、対応する予定です。