
和歌山市の将来を希望に変えるための会議を行いました。事業家、飲食店経営者そして教育者と集まり「和歌山市の将来」を話し合いました。
経済が回っていないことから所得が低く、据え置かれたままになっています。経済が上向いて所得が増えなければまちの治安が悪化します。所得が増えずに貧困が増えてくれば格差を生み治安悪化どころか将来の希望も失います。
チャンスは度々訪れてくれません。数年前と現在の和歌山市の状況は変わり、他府県と比較しての人口減少と経済の低迷は脱出する術が見えてきません。事業者も飲食店経営者も「このままで和歌山市の未来はない」と言い切ります。お客さんが増えない、売り上げが増えない、給与をあげられない、雇用も増やせられない。そんな循環が和歌山市を支配しています。熊本県や北海道、そして長崎県を見て分かるように、和歌山市に必要なものは民間企業の進出と巨額の投資に尽きます。基幹産業、これに類する産業が進出すると周辺産業も仕事が増えますし、まちにお金が流れます。飲食店、ホテル、リネンや自動販売機、植木、食材提供、そして観光など多くの分野に影響を与えることになります。
とにかく企業進出と投資が必要なのです。それ以外に和歌山市を再生できる術、和歌山市の将来に希望を与える術は持ち合わせていません。和歌山市の社会保障料は高い水準にあるのは人口が減少していることと法人税収が少ないからです。水道料金も値上げしていますし、道路整備や水道管の整備も必要ですが原資がありません。
比較的新しい和歌山城ホールのWi-Fi環境が弱いことから、民間団体が和歌山市に設置を要望したところ「予算がありません」という回答だったと聞きました。新しい市民ホールにWi-Fi環境が整っていないことも問題ですが、見積もりを取ったところ400万円の予算がないことも問題です。これぐらいの予算も捻出できない予算規模で将来の市政運営に不安を感じます。民間団体が企業を回りこの資金集めを行っていますが、本来は和歌山市の役割です。予算がないのであれば予算を増やすことを考えるべきです。補助金や事業がないのに予算獲得を目指すよりも税収を増やすこと、つまり和歌山市を経営する考えで運営すべきです。法人税を増やし、市民税と社会保障料を減らすことが市民生活の豊かさにつながりますから、今できることは企業誘致に尽きます。ところが半導体や先端企業、そして基幹産業も和歌山市への進出は厳しいと言わざるを得ません。
人材、教育、住居、外食や娯楽など、大型の投資を伴う企業が進出してくれる際には一定水準以上の要求があります。優秀な人材を雇用できること、子どもを通わせる学校の教育水準が高いこと、安全で安心な住居が確保できること、都会から和歌山市に転居を伴う場合の外食やまちのエンターテイメントも必要です。
地方都市の良さを維持しつつ都会での快適な生活レベルが提供できる和歌山市であることが求められます。しかも進出が決まる前、事前に備えておくべき事項です。企業は進出にあたってこれらの条件が整っているかを調査しますから、和歌山市の雇用事情や従業員の生活環境に不安を感じたら進出してくれません。
果たして巨額の投資をする企業が進出することに否定的で良いのか疑問です。今の生活が脅かされるのではなく上向く側面を見るべきです。和歌山市に巨額の投資をしてくれる企業はそれほど多くありませんから、巡ってくるチャンスは生かすべきです。チャンスが訪れるのは一瞬ですから、そのタイミングを予測しているなら、訪れるチャンスに備えて準備をしなければなりません。棚から牡丹餅はありませんが、もし棚から牡丹餅を受けられるとすれば、棚の下に行き牡丹餅を受ける準備をしておかないといけないのです。もし棚の下にすら行っていなければ、牡丹餅をキャッチするも実現できないのです。
経済が低迷し、人口が減少し続け、雇用も少ない、投資も生まれない和歌山市がすべきことは明確です。和歌山市への大型投資を考えている企業進出を促し、ありがたく受け入れることだけです。残念なことですが、和歌山市には、企業進出を検討できる、または否定的な考えを示すだけの余裕がないのです。
わが国を代表する都市である大阪府や東京都が実現しようとしている計画を、治安悪化や交通渋滞、巨額の投資は地域経済に影響を与えるなど意味のない理由で和歌山県が消極姿勢を示していることを全国に知られたら、和歌山県の将来に希望はありません。
給与が増えないのに対して、税負担と社会保障料負担が増えることを歓迎する県民、市民はいません。懸命に働いている県民、市民の皆さんに意見を聞いて将来の和歌山市に必要なものを受け入れることが和歌山県の将来に希望を灯します。
希望の火を灯せる期間は令和7年9月から数か月の期間となります。チャンスの女神には前髪があるだけです。今、前髪が見えていますから、掴めるのはこの数カ月が勝負です。