
白浜町からパンダが中国に返還されました。本日、岸和田市役所を訪問したところ、役所内にパンダの置物やぬいぐるみがあることに氣づきました。「何故、岸和田市役所にパンダなんだろう」と思って尋ねてみたところ、岸和田市の竹が白浜町のパンダに提供されていることを知りました。職員さんは「岸和田市の竹がパンダの好物なんです。ずっと提供し続けてきました」と話してくれました。
更に詳しく尋ねると、岸和田市とパンダとの関係は次の通りだと分かりました。
・パンダバンブープロジェクト
パンダバンブープロジェクトは、里山を荒廃させる竹をパンダの食事として活用することで里山保全に貢献するとともに、これまで廃棄していたパンダが食べない竹の幹や食べ残した竹、糞を有効資源としてアップサイクルし、社会課題の解決を目指してきました。

2011年から大阪府岸和田市とアドベンチャーワールドは「岸和田丘陵地区における竹の提供に関する協定書」を締結し、岸和田丘陵地区内の市の所有する土地の竹を、パンダの食事として使用してきました。 2020年には協定書の刷新を行い、パンダが食べ残す竹の有効活用により竹を利用した循環型社会の実現を目指して「SDGsパートナーシップ協定(パンダ協定)」を締結しています。
白浜町のパンダが食べている竹の枝葉の約半分は岸和田市の竹で、多い時は年間約数十トンの竹を食べていました。パンダに提供するプロジェクトのお陰で、岸和田市の竹林が荒廃するのを防げたことや、パンダと竹をきっかけに人と社会がつながり、資源循環や地域の活性化にも大いに寄与したということです。

岸和田市の案件で市役所を訪れたのですが、面談の前の時間、控室でパンダが竹を抱えた置物があったり、玄関口にパンダのぬいぐるみがあったことから岸和田市とパンダとの関係を知ることになりました。まさか岸和田市の竹をパンダが食しているとは知りませんでしたし、私たちの知らない処で多くの人が携わっていたことやパンダを応援していたことを知りました。
岸和田市職員さんは「パンダのお役に立てたことを嬉しく思います」と話してくれましたし、岸和田市役所を紹介してくれた方は「私は岸和田市の竹を使った竹炭づくりを始めています。本業ではありませんが、地域貢献のために取り組み始めています。パンダに提供していた竹が不要となるので、私はもっと頑張って地域の名産として世に送り出したいと思っています。私は岸和田市と白浜町の両地点を拠点として活動していますが、最近、月に半分ぐらい白浜町に行くようになって町の良さを感じています。パンダと竹を通じて、岸和田市と和歌山県とのご縁があることを嬉しく思います」と話してくれました。

そして「片桐さん達がこのプロジェクトを岸和田市に提案してくれたということは、岸和田市にその力があると思って訪ねてくれたものだと思います。岸和田市に力がないと思っていたら来てくれませんから、だからプロジェクトを持ってきてくれたことは岸和田にとって意味のあることだと思います。だから誰でも欲するこの企画を断るようなら岸和田市にはこれを担当する、実行する力がないということです。岸和田市のプライドにかけてやる方向で考えます。岸和田市は戦中、男性が学徒動員で招集された時でも岸和田市を護った女性たちが『だんじり』を引いて『だんじり祭』を継続させた歴史があります。期待に応えることが岸和田市です。やれない理由や、やれないことを懸命に説明するようでは市の発展はありません」と話してくれました。
岸和田市の心意気を感じることができました。