
台湾花蓮縣政府から余明勲観光処長が来日、懇談の機会を得ました。今回の懇談に至ったのは、令和6年10月に花蓮縣を訪問したことがご縁となったものです。その時の訪台目的は、花蓮縣や台東縣と熊野白浜リゾート空港との間でチャーター便の可能性の有無について懇談することでした。花蓮縣は、東は太平洋に面し、西は3千メートル級の山々が連なる自然に恵まれた台湾を代表するリゾート地です。また有機栽培の農産物の生産量は台湾一ですから、和歌山県との観光と産業交流に適した縣だと言えます。
花蓮縣も白浜町も両県を代表するリゾート地であり、交流することで観光も文化も産業も効果があると考え、両空港をチャーター便で結ぶことを検討することにしました。帰国後もオンライン会議で検討を続けています。

そのご縁から、今回の来日に際して「懇談したい」と要望があり、今日の日に至ったものです。花蓮縣は大阪府と福岡県に事務所を設けているので、今回も両自治体の訪問が目的でしたが、和歌山県との関係とチャーター便の協議のため懇談したものです。
訪台の時に続いて余処長から、花蓮縣の観光や産業のプレゼンテーションをしてもらいました。改めて花蓮縣の観光や産業の説明を聴いて発見がありました。香港を中心にロングステイのリゾート地として評価が高いこと。台湾政府として「予防医療に適したリゾート地」として調査がされていて、「心身ともに疲れた時は病気になる前に花蓮縣で休憩を取ること」の検討が行われているようです。日本における湯治場のような地で、台湾でも癒しの地として活用されています。

このように花蓮縣は、ロングステイの地としてアジア各国から観光客が訪れるリゾート地なのです。現在、香港と週に四便が就航していて、搭乗率は60パーセントを超えている路線となっています。
このような人気のリゾート地である花蓮縣は「白浜町との間でチャーター便、将来の定期便の就航を願っています」と話をいただきました。もちろん和歌山県としても熊野白浜リゾート空港は台湾や韓国との間でのチャーター便の就航を目指しているので、何としても実現させたい案件です。特に滑走路を2,500メートルに延伸するためには年間30万人以上の利用者が条件になっていることから国際便の就航は必須です。令和7年5月、台北と白浜町と間でチャーター便を就航させましたが、これに台湾との間の就航の実現を目指しています。

所長から「花蓮縣は癒し、健康、体験がキーワードです」と話してくれましたが、これは正に和歌山県と同じ特長を有していることになります。台湾と日本の両国を代表するリゾート地であり「癒し、健康、体験」を楽しめる両県が友好関係を築き、両空港を結ぶことができたら人もモノも文化も交流できることになります。台北と花蓮縣との移動時間は電車でも観光バスでも約2時間30分ですし、関西空港から白浜町の間も電車で約2時間30分ですから、両県の交流のためには直行便が何としても必要です。

またチャーター便の前段として花蓮縣で毎年開催されている音楽祭やストーンフェスティバルなどの大型イベントへの参加や、白浜町で開催されている花火大会への参加などで交流を深めておくことも有効だと話し合いました。やはりオンライン会議でもスムーズに入っていける顔の見える関係を築いておくことが大事だと思います。その意味からも「来日するから予定が取れませんか」と事前に連絡をいただき、顔を合わせることができたことは今後につながることになります。
予定が詰まっている時間の合間を縫って、懇談の機会を調整してくれた余処長と花蓮縣政府観光処の王さんに感謝しています。
次回は令和7年9月に花蓮縣知事が来日予定であり、大阪府と共に和歌山県を訪れてくれることを依頼しました。次につなげていきたいと考えています。