今月も102歳の経営者を訪ね、懇談の時間をいだたきました。この日は毎月、楽しみにしている時間です。
今月の教えは「人気、常、資金」の三つが大事であると教えてくれました。
まず人気について言葉を借りて記します。「人として人気はとても大事な資質です。俳優も歌手でもスポーツ選手でも、そして経営者も政治家も人気稼業です。人気がある人は仕事が舞い込みますから良い仕事ができます。人気があるスポーツ選手を観戦に来る人が多いのでチームから大切にされます。会社も同じで会社の人気は経営者の人気と結びつくことがあります。政治家は言うまでもありませんが人気が必要です。
ところがこの人気というものは正体がなく、何が人気につながっているのか分かりません。人柄と言うか徳と言うかそれらが混ざり合って人気になるのです。人気のある人は人を呼び込みますし、ない人のところに人は集まりません。自分ではどうしようもない不思議な資質ですが、人にはこれが必要なのです」ということです。
続いて「常」については「何事も常日頃が大事だと言うことです。経営者は日頃怠けていて決算時期に慌てても数字をつくることはできません。従業員さんに突然、笑顔で接しても信頼は得られません。政治家も同じで選挙前だけ笑顔を振りまいても支持は得られません。やはり『常』が大事なのです。『常』を大事にする人になってください」。
最後は「資金」です。「どれだけ実現したいアイデアがあっても資金がなければ何一つ実現できません。どんな事業でも計画と同時に資金計画が必要となります。資金が調達できない計画は成り立ちませんし、資金が信頼だとも言えます。多くの場合、計画を策定すれば、事業計画さえあれば資金が得られると思っていますし、資金は何とかなると思っています。でも最も大事なことは資金調達力です。資金のあるなしが成否につながるのです。
日本人は資金の話は正面切ってやりませんが、資金こそが事業の生命線です。資金、つまりお金が事業の肝ですし、お金がなければやれることはありません。経営も政治もお金がかかるのは、関わるのが人だからです。人に動いてもらうにはお金が必要なことは古今東西共通事項です。ところが歴史にも偉人伝にもお金の流れが出てきませんから、偉人は『お金がなくても事業を成し遂げたから偉い』と思ってしまうのです。お金がなくても偉人になれたと思うのは間違いで、偉人になるためにはお金がかかっているのです。立身出世の多くの場合、スポンサーの存在があります。移動するにも、人と会うにもお金は必要だからです。
日本人はお金の話や資金調達の話はあまりしませんが、実は最も大事なことの一つです」というものです。
何かを起こすとき「人気、常、資金」に氣配りしてスタートしたいと思います。
和歌山県飲食業生活衛生同業組合総会に出席しました。会場は白浜町の白良荘グランドホテルです。総会には県内各支部から役員の皆さんが出席して懸案事項を協議しました。
私も出席して、令和7年6月県議会の中から二点報告し、会員の皆さんと意見交換をさせていただきました。
一つは建設委員会で質疑を交わしたJR和歌山駅の周辺の再整備です。同駅の建て替えは和歌山市のためだけではなくて、紀中、紀南を含んだ再開発であり、観光客に和歌山県内に行ってもらえることを目指したつくりに仕上げる必要があることを伝えました。和歌山市の玄関口ではなくて、和歌山県の玄関口であるという意識で構想を検討していただきます。
もう一つは本会議一般質問で質疑を交わした「和歌山IR」についてです。経済振興と雇用確保、そして将来の和歌山県の発展のためには民間投資と県内雇用と県外から働きに来てもらう人を増やすこと、加えて地元産業の振興と税収増を図る必要があります。期限を定める政令が発令された場合、検討する価値はあると考えています。
報告した後に皆さんと意見交換を行いました。「和歌山県に未来は感じていませんでしたが、未来を感じられました」「パンダもいなくなるし明るい話題がないこの時に明るい話題に触れてくれたので期待しています」「和歌山県として取り組む必要があります。こんな具体的な取り組みを待っていました」「やらない理由はありません。飲食業界として何としても必要なことです」などの意見を頂戴しました。
お招きいただいたことに感謝し、皆さんにお礼申し上げます。