活動報告・レポート
2025年6月20日(金)
一般質問三日目
一般質問三日目

県議会は一般質問の三日目を迎えました。同僚議員が登壇し、県政の課題の質疑を聴かせてもらい勉強になっています。本日の質疑の中から「観光産業における現状と課題について」から感想を交えて記します。

観光立国の言葉を最初に使用したのは松下幸之助氏だという話です。それは昭和27(1952)年9月、松下電器社長室で行われた立花大亀禅師との対談の中での話のようです。その内容を元に松下幸之助氏は昭和29(1954)年、『文藝春秋』5月号に「観光立国の弁」と題する一文を発表しました。観光立国に関する箇所を引用します。

私は日本の富の一番大きなものは何かというと、その景観美だと思います。この景観の美は天与のものであって、われわれがつくろうとしてもつくれない。また石炭や石油のように掘ればなくなるというものでなく、いくら見ても減りません。十和田湖の景色はいくら見ても減るものではない。それに掘り出す手間もいらない。

しかし、それには観賞する施設を作らなければならない。それをつくってやれば、景観の美は永遠に尽きない。交通も便利になり、飛行機で飛べば直ぐ日本に来られますから、サービスさえよくすればたくさんの人が外国から訪ねてきて、いわゆる“観光立国”ができるでしょう。

現代、観光産業はわが国のGDPの10パーセントを占めるまでに至っています。今から約70年前に観光立国を提唱していたのですから、当然のことですが実に慧眼です。

ところが観光産業の課題は平準化を図ることだそうです。このことは、星野リゾート代表の星野佳路氏が観光産業の「需要平準化」を訴えていますから、そこから引用します。

祝日により観光客が集中し観光産業はGWや年末年始、夏休み、その他の休日による100日の黒字と、265日の赤字の構造になっていると話した。

この構造上の問題が非正規雇用への依存や低賃金の要因とし、どんな施設でも100日間は集客ができてしまい「競争に繋がらない」(星野氏)。消費者目線でも繁忙期の価格高騰や混雑を懸念し旅行を諦めることに繋がるとして「需要平準化」の重要性を訴えた。

というものです。

観光産業は差異化が図りにくい構造であり、休日、祝日である100日は黒字になっていますが、残りの265日は赤字になっているそうです。それを知ると平準化が必要であることが分かります。サービス業や設備産業が今以上の利益を上げるためには、平準化を図ることが課題です。サービス業であればピークに備えて人員配置が必要であり、設備産業であればピークに合わせて設備を持つ必要があるからです。観光産業も同じ課題を抱えているのですが、平準化するためには国民の休日をずらせるだとか、地域ごとで分けることなど国レベルでの支援が必要となります。

登壇者は観光産業の平準化を提言しましたが、残念なことに答弁は具体的なものではありませんでした。具体的な答弁がなければ、検討から実現までには時間を要します。国レベルの課題なので具体的な答弁はできないことは理解していますが、少し前向きな姿勢も期待したかったところです。

さて一般質問を終えた後、来週の建設委員会に備えて所管に確認を行いました。今回はJR和歌山駅周辺の再整備と梅原交差点の改修、そして熊野白浜リゾート空港有効活用のためのチャーター便と定期便に向けた取り組みに関してのものでした。

これらの県土の課題について質疑を行う予定です。

その他
  • 和歌山市社会福祉協議会と和歌山中央ゴールドライオンズクラブで災害発生時の支援に関する協定を交わしました。これまで和歌山市で巨大災害が発生した時に支援することを協議してきましたが、支援内容などの確認ができたので協定を締結したものです。
  • 「大阪・関西万博議員連盟」総会に参加しました。万博を通じて和歌山県の観光振興につながる活動を行っています。