日本最大の蓄電所を見学しました。最近、蓄電所が注目を集めていますが、それは再生可能エネルギーの普及が進むにつれて課題が発生しているからです。調整力の不足や再生可能エネルギーの出力抑制などの課題に対応するために蓄電所を役立てようとしています。
蓄電所は大型の蓄電池を電力系統に接続し、電力の余剰時には充電を行い、不足時には放電することで電力需要の安定に資しています。太陽光発電の場合、天候や気温にも左右されますが、一般的に昼間の発電電力に対して需要が少ないので、その時間帯は蓄電されることになり、太陽光発電が発電しない時間帯やピークが目立つ時間帯は放電して電力供給を行うことになります。
おさらいになりますが、蓄電所の役割は次の通りです。
- 調整力の供出
- 再生可能エネルギーの余剰電力の吸収
- 受給ひっ迫時の放電
紀の川蓄電所は定格出力48MW、定格容量113MWhの規模があり、一回の放電で家庭の約1万3千世帯の一日の使用量に相当する電力が供給できる蓄電所です。
このように利点が多い蓄電所ですが、考えられるリスクは発火の恐れがあることです。
蓄電所ではリチウムイオン電池を利用していますが、このリチウムイオン電池は可燃性であり、発火する恐れがあります。
リチウムイオン蓄電池の電解液は、危険物(第四類:引火性液体)に該当するので、一定の容量以上の蓄電池を屋内貯蔵所に保管する場合、消防法上の危険物規制の対象となり、制限を受けます。そのため蓄電池事業を運営する蓄電池事業者は消防法の法令に基づき、防火上、有効な措置を講じています。
火災のリスクを防ぐためには、蓄電池機器の仕様や消防法に関して正しい知識を持った危険物取扱者(乙4資格)の配置、蓄電池の管理ノウハウが必須となります。そのため蓄電池事業者は、蓄電池の取り扱いに際し蓄電池メーカーによるメンテナンスなど適切に管理することが求められます。
紀の川蓄電所は安全対策が講じられているのでこのリスクは軽減されていますが、投資額が少なければ安全対策が足りないことも考えられるので注意が必要です。
今回、関係者のご配慮を頂き初めて蓄電所を見学することができ、現地を案内してもらったことで理解が深まりました。社会の変化と共に新しい設備が登場するのは世の常ですが、まさか大型の蓄電所が登場するとは想像していませんでした。過去から蓄電技術の実証実験が行われてきましたが、当時、実用化には遠く課題は先送りの状況だったと記憶しています。ところが大型の蓄電所が登場したことは、私の感覚では一足飛びに技術が進歩したように感じます。長年の研究と技術を積み重ねてきたものが突然出現したように感じるのです。
少し前までは電力貯蔵は夢の世界でしたが、現実のものになっていることに驚いています。これから社会はますます電力シフトが進展していきますが、蓄電所はそれに対応する技術だと思います。普及拡大することを願っていますし、再生可能エネルギーの導入を目指している和歌山県での普及も願っています。
- 口腔ケアに関して歯科医と懇談しました。健康な時期からの口腔ケアの重要性を感じています。
- ライオンズクラブ会議や理事会に出席し、今期の残された事業計画と来期の課題について協議を行いました。