和歌山市内で開催予定の「高校生ダンスコンテスト」に関して市教育委員会を訪ねて協議を行いました。このダンスコンテストは高校生が対象ですが、中学生にも鑑賞してもらいたいと考えての協議です。中学生が進路を決めるに際して「行きたい高校」を思い浮かべる必要があります。高校開放日に訪ねることやスポーツ大会や進路などを参考に決定すると思いますが、その一つとして高校生で流行しているダンス部の活動を知ることで、中学生が「この高校に行きたい」と選択肢になると思います。自由で楽しい校風を感じることで「この高校に進学したい」と思ってもらえるような大会にしたいと考えているので、是非とも和歌山市内の中学生にも鑑賞して欲しいと願っています。
さて今回「高校生ダンスコンテスト」を開催することになったのは、岸和田市で開催しているダンスコンテストがきっかけです。
ある時、岸和田市内の方が「サッカー部の応援をしたい」と自分の母校を訪ね、グラウンドに出ました。サッカー部の練習を見ている時に、グラウンドの片隅で一人の生徒が動いている姿が見えました。「あの生徒は何をしているのだろう」と思って近づいてみたところ、一人でダンスの練習をしていたのです。
同行の先生が「あの子は優秀な生徒です。ダンスが好きでグラウンドに出て練習をしているのですが、学校にはダンス部がないのです」という話だったようです。
今から十数年前ですから高校生がダンスをする大会は少なく、ダンス部もありませんでした。しかしダンスが好きな生徒が増えていた時代でした。
母校のサッカー部の支援をしようと思ってグラウンドを訪ねたこのOBは「ダンスが好きなのにクラブもない、大会もないのは残念」だと思い、「何とか好きなことに打ち込む生徒を応援したい」と思ったのです。
そこで岸和田市内で「高校生ダンスコンテスト」を開催することにしたのです。当初はダンスのレベルも高くはなく参加校もわずか数校だったのですが、それでも「ダンスが好きな高校生たちがいるけれど、学校にクラブがないから大会もないので応援する」と決めて第一回大会を開催したのです。
それから十数年が経過した現在、岸和田市の「高校生ダンスコンテスト」は高校生たちが出場を目指す大会へと成長していきました。今では大阪市内の高校生が参加するレベルの高い大会となり、地元岸和田市の大阪府立久米田高等学校ダンス部はダンスの強豪校として響き、全国トップレベルのクラブになっています。
この取り組みに刺激を受けた和歌山県内の有志メンバーは「和歌山県内の高校生のためにダンスコンテストを開催しよう」と決めて行動に出ました。今夏が第一回目の大会となりますが「成功する、しないは問題ではない。ダンスが好きな高校生のために大会を設けてあげたい。そして高校生活を充実したものにするための応援をしたい」と考え、開催することにしたのです。
和歌山県内の現状として、ダンス部がある高校は多くはありません。それでもダンスが好きな生徒は多く、県外の大会に出場している生徒もいることが分かりました。現在大会への参加案内をしているところですが、先日、高校のダンス顧問の先生が岸和田市で開催された大会の見学に行ったところ「レベルが高くて、同じ高校生徒は思えなくて驚きました」というほどだったようです。
そこで「和歌山県で初めて開催されるダンスコンテストに出場したい」と思い、同校の出場が内定しました。現在、出場予定のチームは10チームを超えるほどになっています。第一回目の大会としては「良いスタートになっている」のです。
大会実行委員は、「この先、このダンスコンテストが高校生たちの憧れる舞台になるように運営していきたい」と話し合っています。そして中学生たちにも高校生の大会を観てもらって、進学した先の高校で大会を目指して欲しいと思っています。
高校生のダンスチームにとって、熱い夏の舞台になることを期待しています。