活動報告・レポート
2025年4月17日(木)
いきいきシニア和歌山

「いきいきシニア和歌山」役員の皆さんと会議を行いました。新年度の行事計画を聴かせてもらっている中で、熊野古道ウォークの行事が予定されていました。会議の席で「これが熊野古道を案内するために作成した資料です」と7ページの資料を見せてくれたのです。自分で作成した資料ですが、現地で案内するための予習を行い、大切な箇所を囲んでいるところがあり、またペンで追記するなどしていました。

その中に「南紀熊野体験博」の説明もありました。今も語り部をする中で、同博覧会は熊野古道が世間に知られる契機となったことや、後に世界遺産に登録されるきっかけになったと伝えてくれていることを知りました。

尋ねてみたところ「博覧会が世界遺産につながったのは間違いないですね。それまでは地元でも知りませんでしたし、当時、私は熊野古道のことを調べている中で『記紀に記されている熊野は凄い』と思ったほどです。それで現地を歩き、博覧会のボランティアガイドを行ったり、『記紀』を調べたりするようになりました。博覧会がなければ熊野古道は今ほど知られていないと思いますし、世界遺産にもなっていなかったのではないでしょうか。私は現在に至るまで熊野古道ウォークを計画しているのは、熊野の奥深さを感じているからです。どこまで調べても、どれだけ歩いても発見があります。こんな歴史の道はないと思います」と答えてくれました。

もう25年も前の「南紀熊野体験博」の嬉しい評価をいただいて感謝しました。どんなイベントも歴史の中に埋もれてしまいますし忘れ去られていきます。それはそれで良いと思いますが、一人でも語り継いでくれる人がいることは嬉しいことであり、次世代に継承していくことになります。

既に県庁内でも当時の実行委員は少なくなっています。当時の若手職員さんが管理職になっていますが、当時、主軸を担っていた管理職の皆さんは退職していますから、結果は分かっているものの本質部分は分からなくなっています。それをボランティアで関わってくれた方が語り部として今も案内してくれていることを知り、心から感謝し嬉しく思います。

また和歌山城を案内している時の出来事も話してくれたのですが、これは案内の中で初めて聞く話でした。

和歌山城を案内している時、大阪から来たお客さんから「和歌山城の石垣はどうして崩れないのですか。これまで和歌山城を訪ねた時に質問したけれど答えてくれた人はいませんでした」と問いかけがありました。

案内した語り部さんは「それは水抜きをしているからです。石垣と石垣の間にわずかな隙間をつくり、お堀に流すようなしくみになっています。またお城と石垣は強い岩盤の上に建てていることも崩れない要因となっています。つまり水を抜く構造になっていること、強固な岩盤の上に建築していることが、和歌山城の石垣が崩れない要因です。当時の技術でここまでできていることも和歌山城も価値の一つです」と答えたそうです。

なるほどと納得できる理由を話してくれました。現地を歩き、現地の人と話を交わし、そのうえで資料を読んでいるので、語り部の説明が分かりやすく、資料で出てこないところまで説明できるのです。

令和7年度も「いきいきシニア和歌山」の活動が楽しみです。