ウインズ平阪さんに講演会の講師を依頼していますが、日時やテーマなどの話し合いを行いました。ウインズ平阪さんの話は和歌山県愛に溢れていて、長く音楽活動の拠点を和歌山県に置いている理由の一端も知ることが出来ました。話し合いのテーマは多岐に及びましたが、その中でコンサートツアーをしている経験から「和歌山市は全国で最も素晴らしい市だと思っています。理由を上げたら100ぐらい話すことができます」と話してくれました。
- 県庁所在地で海水浴場が5つもある市はありません。しかも中心地からそれほど遠くないので直ぐに行くことができます。
- 交通渋滞が少ないことです。和歌山市の道路は良いですよ。奈良市や京都市の渋滞の酷さを思うと、和歌山市の朝夕の渋滞はそれほどたいしたものではありません。通勤の利便性があります。
- 和歌山市は面積が広いため家屋や人が集中していないため少なく感じます。ゆったりとした生活環境に恵まれています。
他にも話してくれましたが、創造的な活動をしているミュージシャンは視点が違うので参考になりました。
また和歌山県に関しては「寒い地域と比較してゆったりとしています。温暖で仕事があり歴史的には出稼ぎに行く必要もなかったので、それなりの財を蓄えて豊かだと思います。恵まれた地域であると認識できると有難さが分かります。和歌山県の果物も野菜も魚もおいしいですよ。
問題だと思うことは、他人が良くなることを応援しない体質ですね。頑張っている人を応援できれば良いのですが、そうなっていないように感じます。出る杭は打たれますが、出る前に打ってつぶしていることもあります。若い人を育てることが大事ですが、そうなっていないので若い人は都会に出て行ってしまいます。
但し、それでも良いと思います。故郷への愛を感じてくれているならですけれど。東京で仕事をして将来成功したときは、故郷にふるさと納税でも寄付でも還元してくれるなら良いことです。故郷教育が大事なことだと思います」と伝えてくれました。
続いて長く活動できる秘訣について考え方を説明してもらいました。
「良いことで目立つことは難しいですよ。良いことをしてもメディアで取り上げてくれないですし、良いことの噂はなかなか広がりません。ところが悪い噂は直ぐに広がりますし、メディアは取り上げます。時代が変わっているので強く言えませんが、歴史を見ても聖人は少ないと思いますし、人はどこかで息を抜くことが必要です。常に緊張している状態を続けることはできません。
また一気に人気が出てしまうと、そのポジションを維持することは簡単ではありません。維持するためのストレスがかかりますし、仮に100の人気があったけれど、今は10になってしまうと落ち目に感じます。ところが最初から10の人気であれば、元々注目されていないのでそれほど落ちることはありませんし、10の人気があれば『10人に支持されているのだから幸せだ』と感じます。時間も労力も資金もかかるようなトップの座を狙う必要はないのです。身の丈に合った場所で活動できることは幸せなことですし、長くやれることが幸せだと思います」。
悪戯に競争することなく、その分野でかち合うことのないようにゆったりと活動できる環境を整えることが長く活動できる秘訣であり、小さな幸せを得られるということです。
最後にCD制作についてです。
「楽曲をつくるとミュージシャンはCDを制作します。時代は変わっていますが、各地でのPRのためには今もCDが必要です。一曲を録音してCDに収めるためには何度も何度も繰り返して歌います。何百回と歌った中で最も良い出来栄えの音を収録しているので、CDに収録されている歌が最も完成度が高いということです。
何度も繰り返した中で最も良い音源を残すこと。そこにはデジタル修正を加えていくのですが、スタジオも技術も、支えるチームメンバーも必要となります。一人でできることはないので支え合える仲間がいることが大事なことです」。
反復訓練をすること、支えてくれる人の存在と仕上げられる技術、そして資金の確保など、どの分野においても通用することだと思います。ウインズ平阪さんとの時間は限りなく楽しい時間となりました。