活動報告・レポート
2025年2月18日(火)
向陽高校OB訪問
向陽高校OB訪問

向陽高校のOBの会社を訪問するため、向陽高校で校長先生と待ち合わせをしてから会社に向かいました。お忙しい中ですが、予定の時間に合わせて待ってくれていて、約1時間懇談させていただきました。

先輩は昨年、在校生に講演をしてくれたのですが、生徒全員からその時の感想文が届けられました。そして3か月かけて生徒全員にお礼状を書いて届けてくれたのです。このことに校長先生を始めとする先生方が感動したのはもちろんのこと、生徒も「一人ひとりにお礼状が届いたことはない」と驚いていました。勿論、自分たちが書いた手紙のお礼状に感動したのは言うまでもありません。

さて、その講演会の終了後の生徒との会話の中で「夏場は生徒ホールが暑すぎて利用していない」ことを聴いたのです。暑さの原因は生徒ホールには空調設備がないからでした。

生徒が生徒ホールを使わないことで楽しい高校生活を過ごせていなければ問題だと思い、現在、対応してくれているのです。公立高校ですから、本来は県教育委員会が対応すべき問題ですが「予算がない」とのこと。空調の取り付けをしてくれるのか不明のままであり、取り付けるにしても「何時になるか分からない」ようでは、在校生のためにならないと行動を起こしてくれたのです。

このことをきっかけとして、今回の懇談では先輩の人生哲学に触れることができました。

  1. 自分の利益は30パーセント、70パーセントは相手にあげなさい。会社であれば、まず相手に儲けてもらったら良いのです。そこから信頼関係を築くことでつきあいが始まるのです。信頼関係を築けたら「今度は私のところも少し儲けさせてください」と笑って言えばよいのです。利益よりもつきあいを優先させることが人生で得られることが多いのです。

  2. 生徒の喜ぶ顔を見ることがとても楽しいから先輩として応援しています。お金を使うのであれば、無駄なことに使わないで母校のために使いたいと思います。人生の基礎を作ってくれた母校ですから、恩返しをするのは当たり前のことです。
    飲み代に使うお金があれば、2回か3回それを止めて貯めておくと母校に役立てられます。後輩の笑顔を見ると「嬉しいなぁ」と思いますよ。

  3. 母校で講演会を行ったことから、生徒からもらった感想文は宝物です。別に誰からの表彰状も感謝状もいりませんが、生徒からもらった手紙は嬉しいものです。自分ができることは小さいけれど、生徒が喜んでくれることが嬉しいのです。
    だから幹部社員には「自分を育ててくれた母校のためにお金を使いなさい。どれだけ嬉しいのは分かりますから」と話しています。

  4. 母校で講演会を行いましたが、私の経験から学んだことを生徒に伝えるつもりが、逆に生徒から教えられました。年下でも先生になってくれるので、誰からでも学ぶ姿勢は大切です。

  5. 人の言葉を引用してもその言葉が持っている感動は伝わりません。それよりも自分の言葉で伝えることが大事です。自分が経験から学んだ言葉は聴く人に感動を与えることができます。

  6. 誰でも人生で残された時間は限られています。限られた残りの人生で何をすべきか考えるべきです。自分のことに費やした時間やお金は誰の心にも残りません。
    人のために費やした時間やお金はその人の心に残ります。人の心の中で生き続けるとはそんなことではないでしょうか。

  7. サミュエル・ウルマンはアメリカの事業家です。ウルマンが残した言葉を松下幸之助が見つけ「これは凄い」と広めたのが「青春」です。
    この詩は1945年27日に昭和天皇が日比谷の占領軍総司令部にマッカーサー元帥を訪問した時、部屋の壁に掛けられていた詩です。この詩を岡田義夫氏が見つけ漢詩調に翻訳したものを松下幸之助が見つけ、雑誌に紹介されて有名になったものです。
    「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言う」と思いますから、高校生だけのものではなく大人も心に青い春を持ち続けたいものです。

  8. だいたいにおいて人生はほぼ同じもだと思いますが、一つだけでも人と違ったことに挑戦すれば、それを破天荒と言います。破天荒の人生に憧れる人がいますが、人とたった一つだけ違うことに取り組めばよいのです。

  9. 私が亡くなった後に「あの人は良く頑張っていたなぁ」「よく働いていたなぁ」と言ってもらえると幸せな人生だったと思います。自分がそう思えるような人生を歩きたいと思っています。

  10. 私は向陽高校の後輩のためにやっているのであって、同窓会で名前を残したいとも、肩書が欲しいとも思っていません。それよりも在校生と話をして感動したいのです。涙を流したいのです。

  11. 同じことを続けていてはいけません。何年も変わらないのは破天荒なことをしていないからです。これまで良かったからと思うのではなく、何をすればこの先、発展できるのか考えるべきです。

  12. これは会社の創立の節目の記念として作ったウェッジウッドのコーヒーカップです。全部で数百万円、150個作ったのですが、現存しているのは12個です。残りのコーヒーカップは洗っている時などに割ってしまったのです。今は残り少なくなったので丁寧に扱ってくれていますが、多ければその価値が埋没してしまいます。

  13. よく来てくれました。たいしたものでないので申し訳ないのですが、会社で用意したものをもらってやってください。是非、この次も訪ねてください。

向陽高校の先輩は凛としていて背筋が伸びて、姿かたちも話す言葉も恰好が良いのです。

「格好良いなぁ」と思える人はなかなか巡り合えませんが、お会いして話をしていると本当に格好良いのです。だから直ぐに予定していた1時間が経過していました。

「こんな人になりたい」と思わせてくれた、生き方の手本のような先輩に感謝しています。

その他
  • 新規開設した作業所を訪問しました。オーナーを始めとする皆さんに案内をいただき、熱い氣持ちが伝わってきました。
  • 雅楽演奏会について懇談しました。「若いころは雅楽の技術上達だけを目指していましたが、もっと歴史を勉強しておけば良かったと思っています」と話してくれました。