東京から来県してくれた方々と県庁内で会議を行いました。議題は「eスポーツとAI医療」でした。首都圏をはじめ全国の地方自治体におけるeスポーツ取り組みの紹介をしてもらい、和歌山県での導入について話し合いました。
先進的な地方自治体は次の通りです。
- 群馬県はeスポーツ担当課を設置しています。
- 秋田県ではシニアeスポーツを実施しています。
- 神戸市ではシニアのためのeスポーツ施設があります。
- 熊本県では障がい者のためのeスポーツ施設があります。
- 札幌市では病院でeスポーツを採り入れて認知症予防に努めています。
- 茨城県ではコンテンツクリエイター教育を実践している他、ゲーム作り体験、作ったゲームのコンテスト、イオンホールを使ったゲーム体験を行っています。イベントにはキッズと共に高齢者の参加が多くなっています。
- 大阪市ではインテックス大阪でeスポーツのダンス体験を行いました。100人規模の予定が300人規模の体験会となりました。
その他、福岡県、徳島県そして横須賀市が先進地となっています。
eスポーツは観光、教育、高齢者や障がい者福祉の分野で効果を発揮しています。つまり地方自治体のこれらの行政課題とeスポーツを組み合わせることで解決に向かわせることも可能なのです。
またeスポーツは一つの産業です。産業ですからこれを仕事にできますし、人材育成の必要性もあるので、和歌山県に新しい産業を呼び込むと考えるべきです。
eスポーツはイベント企画、配信、イベント実施などに携わる必要がありますし、ゲームコンテンツ作りやプロスポーツのマネジメントなどの仕事があるので、インターネット産業の一つになっています。
ところで世界のeスポーツは1990年代後半に誕生しているので、既に30年の歴史があります。アメリカや中国、韓国やドイツ、スウェーデンなどが先進国です。一方、日本では2018年に経済産業省が支援したことからeスポーツ元年とされており、先進国と比較すると30年近く遅れています。
欧米との違いは、欧米ではビジネスとして進化していますが、わが国では地方自治体がリードするコミュニティとして進化していますから、日本は独自の進化をしてきたことになります。
ところでeスポーツのジャンルは次のようなものがあります。
- 戦略ゲーム
- シューティングゲーム
- スポーツゲーム
- 格闘技ゲーム
- レーシングゲーム
- デジタルカードゲーム
以上が主なものですが、人気が高いのは、1の戦略ゲームと2のシューティングゲームで、日本におけるeスポーツの目的は集客と体験です。
和歌山県でお勧めのeスポーツツーリズムとゲームの組み合わせです。京都市で二条城をゲームの舞台にしたソフトがあります。eスポーツは多言語対応なので、外国でも利用しています。二条城がゲームの舞台になったことで認知度が高まり、インバウント観光客の増加につながっています。
和歌山県の観光テーマは聖地リゾートですから、ゲームの舞台になる場所がたくさんあります。高野山や熊野古道、和歌山城はゲームの舞台に適していますし、ソフト化すれば外国で流行すると思います。この聖地リゾートゲームを体験した人たちは、和歌山県を訪れたくなります。ゲームで体験した人は、実際にその場所に行きたくなるものです。ゲームで体験した後は、観光客として和歌山県を訪れることになり、eスポーツはツーリズムと親和性があるのです。
会議を通じて和歌山県でのeスポーツの可能性を感じることができました。引き続いてeスポーツをテーマにした会議で検討していくことにしました。