活動報告・レポート
2025年2月13日(木)
向陽高校を訪問
向陽高校を訪問
ヤシの木

向陽高校を訪問、卒業式と創立110周年の取り組みについて校長先生を始めとする先生方と会議を行いました。学校に到着すると会議出席予定の先生が、植え込みのところにいました。「先生、植樹ですか」と尋ねると「以前、向陽高校のシンボルだったヤシの木が大きくなり過ぎたので、台風や集中豪雨の影響で倒壊する危険性が生じたので伐採しました。でもそのヤシの木の種が飛んでいたので、新たなヤシの木が成長しています。そこで元の位置に近いところに植え替えようと思います」との返答でした。

誰が何時植えたのか分からないのですが、向陽高校の玄関に巨大なヤシの木がありました。余りに大きくて目立つので、いつの間にか向陽高校のシンボルになっていました。僕の在学中から存在していたことを覚えているので、植樹してから100年ぐらいは経過していたと思います。その間、在校生を見守り続けてきたヤシの木は、大事にされてきました。

ところが昨今、予想を超える豪雨や台風が発生していているので、もしヤシの木が倒壊すれば、倒れ方によっては向かいの家屋、校舎に被害を与えることになるので、同窓会理事会でも協議をした結果「残念だけれども伐採する」ことに決定しました。

高校生が成長するのと同じように大きく成長しているヤシの木を伐採することは心が痛みましたが、防災の観点からの決断でした。伐採後は見慣れた光景と違う光景になりましたが、ヤシの木の種が飛んで新しい生命を育てていたのです。

そこで創立110周年を迎える令和7年に、これまでの伝統を継承して、110周年から新しい伝統をつくろうと考え、この小さなヤシの木を元の位置付近に植え替えることにしました。そして110周年記念行事の際に「植樹式典」を行うことも検討しています。

生命が消えましたが、新しい生命が誕生しているこの循環を大切にしたいと思ってのことです。

学校の玄関で校長先生と「創立110周年の今年、このヤシの木を植えることで、これから始まる新しい伝統がスタートすることになります。今から100年後、向陽高校のこの場所に伝統を受け継いだヤシの木として成長していると思います。もちろん100年後に私たちはいないので、その光景を見ることはできませんが、その時の先生や生徒が向陽の古い記録を見つけてくれて『今から100年前の創立110周年記念として植樹してくれたヤシの木だ』と発見してくれたら有難いことです」と話しました。

その頃、校長先生の僕も向陽の伝統の一頁になっていますが、ヤシの木は生き続けてくれます。生命を授かったヤシの木は、今日のこの時の会話も、植樹や記念式典の様子も記憶してくれていると思います。名前を残したいわけではありませんが、後世の誰かが発見してくれるなら幸せなことです。

向陽高校

生命は受け継がれていく。それは人であれヤシの木であれ同じです。今から100年後の世界を生きているのは、今日会議に参加した私たち、授業を受けていた在校生ではなくヤシの木だけです。そう思うと、これから先に伝統を引き継ぐこと、今受け継いでいる伝統を護ることに携わっていることの嬉しさが込み上げてきました。

校長先生と同窓会担当の先生と会話したこの瞬間は「なんて素敵な時間なのでしょう」と思いました。人生の中の一瞬の記憶として残るものです。

消える命もあれば誕生する命もある。自然界で繰り返される日常ですが、どれだけ尊いことなのかを感じます。愛おしい氣持ちで、これから成長していくヤシの木を見つめました。

この二代目のヤシの木が、先代に続いて大きく成長することを願っています。校長先生、そして先生方と良い時間を共有できたことに感謝しています。

その他
  • 昨夜に引き続いてお悔やみに伺いました。これまでのご厚情とご指導、与えてくれた全てに感謝し、心から故人のご冥福をお祈りしています。
  • 蓄電池や洋上風力発電など、和歌山県で取り組めるエネルギー問題への対応について会議を行いました。できることからやっていくことを確認しました。