活動報告・レポート
2025年2月8日(土)
ヤングライフセミナー
ヤングライフセミナー

入社5年目の若手を対象とした研修会「ヤングライフセミナー」が開催されました。午後からのカリキュラムは「資産形成」「保険制度」そして「県政報告」でした。この中の「県政報告」を担当させていただき講師を務めました。受講者は全員入社5年目の若手だったので、演壇に立った時に話す内容を変更して三部構成で講義を行いました。

  1. 僕が入社してから経験したことについて
  2. 県政での意思決定の仕組みについて
  3. 和歌山県下の県政の動きについて

以上の三部構成で講義を進めました。

第一部は「僕が入社してから経験したことについて」です。

仕事は主に企業広報を担当していたのですが、当時は液化天然ガス発電所やエネルギー問題についての広報と共に社外広報誌の取材と編集などを行いました。当時は再生可能エネルギーの実用化は未来の話だったので化石燃料と水力、そして原子力を組み合わせたベストミックスの考え方で電源構成を進めていました。電力の社会的使命と安定供給の責任を果たすための広報が中心でした。

当時恵まれていたのは良い上司や先輩に恵まれたことです。例えば県に出向したことです。今は世界遺産になってインバウント観光客を集めている熊野古道ですが、当時は県内でも知られていない存在でした。ある日、直属の上司から「片桐君。熊野古道って知っているか。今度、和歌山県では熊野古道を売り出すための博覧会を開催するらしい。その準備の実行委員会を立ち上げたので出向して欲しい。これは人事からの要望だ」と話がありました。僕も熊野古道の存在は知らなかったので「何の仕事だろう」と想像できなかったのですが、会社を代表して和歌山県に出向することになりました。

博覧会でも広報担当で、仕事の内容は熊野古道を世界遺産にするために知名度を上げることとその価値を発信することでした。当時は紀南の山道のような存在だった古道ですが、全国に広報したことやヨーロッパに広報したことで知名度が高まっていくことを感じました。博覧会でのプレスツアーや旅行会社に向けての広報活動、そして外国のメディアへの広報などを担当していました。この経験は仕事幅を広げ、人脈を広げ、そして行政と企業、そして社会との関わりなどを学ぶことができました。

また能登半島の千里浜海岸でのソーラーカーレースに出場するため約半年間、ソーラーカーの仕事に携わったこともあります。

そして今はもうないかも知れませんが会社に研修制度がありました。これも当時の上司から「片桐君、英語はできるか」と話があり、英語のテストと英語での面接を受けました。

一度目はダメでしたが二年目に合格してアメリカに派遣されることになりました。当時はニューヨーク事務所があり、日本の黄金時代であった1988年にアメリカで学ぶ良い経験をすることができました。その語、中国への研修にも派遣され、まだ発展していなかった上海などを視察することができました。そして和歌山市議会議員、県議会議員に押し上げてもらいました。つまり仕事を通じて人脈を得て、本業以外の経験も積むことができました。結果として社会にも会社にも貢献できていると思っています。本業は遂行することは大事ですが、若い皆さんは可能性がありますから本業以外のチャンスが訪れたら、是非「やります」と挑戦する意思を示して欲しいと思います。きっと皆さんの会社生活をより良きものにしてくれると思います。

第二部は「県政での意思決定の仕組みについて」です。県議会は議員で構成されていますが、ここには違う職種の人が集まっています。建設業や漁業関係者、電気屋さんや看護師さん、会社の人もいます。このように違う職種の人、つまり価値観が異なる人が有権者から選ばれて議会を構成し、県政に関する議論を交わしているのです。そして予算や条例などを決議していくのです。

自分たちと価値観の近い人を議会に送り出すことで、自分たちが実現を願っている施策を実現することが可能となります。もし自分達と異なる議員ばかりで議会が構成されていれば、自分たちが思うことの実現は困難になりますし、逆に同じ価値観の議員ばかりの議会であれば、これはおかしな方向に向かうことになります。違う価値観を有する人が選ばれて議会を構成しているので、より多く人が納得できる結果を出せると思います。

例えば地球温暖化防止のための太陽光発電の導入は賛成ですが、大規模開発を伴う太陽光導入はいただけません。住宅地が背後にある山脈を削り、太陽光パネルを設置するような発電設備を作ることは良いとは思いません。予想を超えた大雨や集中豪雨被害が発生している中、森林を削って更地にして太陽光パネルを設置した時の危険性を考えると、これは進めるべきではないと考える人が多いはずです。

そこで和歌山県は条例で「大規模開発を伴う太陽光発電の設置」について歯止めをかける条例を制定しています。これは民意の表れであり、行政と議会で制定したものです。

この条例は、私たちの平穏な生活を脅かす恐れのある行為に規制をかけることになります。また令和6年度下期から和歌山県では給食無償化を実現しています。これは保護者からの要望や社会の要請に基づいて予算化したもので、議会での決議が必要となるものです。

この2つの事例から、私たちの生活に県政が関係していることが分かってもらえると思います。是非、選挙権を行使して、自分たちと価値観の近い議員を議会に送り出して欲しいと思います。

第三部は「和歌山県下の県政の動きについて」です。

これは串本町での民間ロケット事業について、熊野白浜リゾート空港の国際線化、そして地元産品を発信するためのライバースタジオ設置などの県政の話題を説明しました。

参加してくれた若い世代に対して、仕事も生活も県政に関係しているので、政治に関心を持ってもらえるような内容で講義を行いました。少しでも関心を持ってくれるなら、会社生活を楽しんでもらえるなら嬉しいことです。

その他
  • 台東縣と白浜町との間でのチャーター便就航についてオンライン会議を行いました。実現に向けて行動と共に情報共有を行っています。
  • エンジニアが少ないこと。社内で養成する場合、3年間はかかるので戦力になるまで小さな会社では大変なことなどを話し合いました。即戦力のエンジニアの採用は難しいので、この分野での人手不足の問題を共有しました。