懇意にしてもらっている内科医を講師にお招きして「糖尿病から健康を守る」ことをテーマにした研修を受講しました。
糖尿病患者は約2,000万人とも言われているので、日本人の6人に1人が罹患している数字になります。思っている以上に多いので、研修は驚きからスタートしました。
この病気が増えてきたのは時代背景から考察すると、大きく二つの理由があるそうです。
一つは乗用車の所有に伴い増えていること。二つは食事が西洋化していったことから脂肪分の多い食事を摂るようになったことです。つまり運動不足と摂取するエネルギーの中に占める脂質の割合が増えていることが糖尿病の原因だと考えられます。
そのため糖尿病を改善するためには、運動習慣と食生活を改善することに尽きます。運動をして体重を落とすことで改善に向かいますし、食生活を変えることで同じく改善に向かいます。昭和のまだ日本が貧しい時代、一汁三菜を食べていた時代には糖尿病は少なく、罹患した時は「贅沢病」と言われていました。その時代に戻るとは言いませんが、和食、特に繊維質の食べ物を主にすることで改善に向かいます。
これまでの事例では運動と食生活改善によって体重を落とすことで克服した人がいますから、薬に頼る前に生活習慣を改善することが処方箋になります。
但し運動習慣と食生活を改善することは難しく、10人いれば改善できる人は2人ぐらいです。生活習慣は、その人にとって最も楽な生活なので、それを変えることは自分にとって最も楽な生活環境を厳しいものに変えることなので簡単ではないのです。
運動を続けることも、おいしいものを食べる習慣を変えることも精神力が必要となります。厄介なことは、糖尿病は表に現れにくいので「身体に何も変化がないから今の生活習慣を変える必要はない」と思っていることです。命に関わるような大変な病であれば食生活を変えようと思うのですが、糖尿病が身体に影響を及ぼすまでには何年もの年月を要するので、数値が標準値を超えていても直ちに変えようと思わないのです。
このことはとても良く分かります。人は居心地の良い生活環境にいる場合、好んで厳しい環境に身を置こうとは思わないのです。これは生活だけではなく仕事でも、職場でも同じで、転職や転勤はストレスがかかることが多いのです。これは慣れた環境から新しい環境に変わることへの不安がストレスになるからです。それほど人は環境に染まりやすい、良いように言うなら環境に適応する生き物だから困難を乗り越えて生存してきたのです。
糖尿病は豊かな生活環境に適応していく過程で増えてきた病気であり、自覚症状が出るまでに時間がかかるので危機意識が希薄なことが厄介です。
また体重を落とすことを意識するだけでも予防できるので、体重を意識して欲しいということです。肥満の指標にBMIがありますが、これは自分の体重を意識することになりますし、改善目標になるものです。算定式は体重÷身長÷身長で、解が22ぐらいまでに収まればオッケー、導かれた答えが25を超えると肥満になります。25を超えないことを意識することで、減量意識を生じさせることができます。
日頃意識することが少ないことが健康です。自分にとって大事な健康であっても、意識することは少ないのです。まして糖尿病について考える機会はほとんどなく、今回の研修は健康を考えることと生活習慣を変えることを意識する契機となりました。
また専門の医師からの講義は分かりやすくて、「健康を意識しなければ」「体重を落とすことを始めなければ」という考え方にさせられました。
お忙しい中、お越しいただき勉強させてもらったことに感謝しています。