活動報告・レポート
2024年12月18日(水)
和歌山市の経済環境

和歌山市内の方からご意見をいただきました。

「和歌山県の最低賃金が近畿で最低という現実を払拭できるような、生産性のある企業を和歌山市に誘致するのは難しいのでしょうか。

能登半島被災地支援のための寄付も勿論大切ですが、チャリティでの募金の様子を拝見していて、決して裕福に過ごせている訳ではないのに寄付してくれている人もいるかな、と思ってそう感じました。

和歌山市の高齢率は高いにも関わらずパートにしても年齢制限があり、現実は厳しいので60歳を迎えた友人も退職金を上乗せしてもらって辞めるか、収入が4割減になってでも今までの働きと同じ職場で働きながら65歳まで待つか懸念しています」という意見です。

和歌山市の経済環境は上向いている訳ではなく、パートで働いている方々の賃金は多くはないので生活が厳しい方が多い現実を聴いています。60歳を超えると雇用を継続するにしても賃金が下がるので生活は厳しくなります。本年度、和歌山県の最低賃金は50円アップして980円に引き上げましたが、それでも物価上昇分を勘案すると生活環境は改善されていません。令和7年度も継続して最低賃金を上げることを望んでいます。

但し、財務省近畿財務局和歌山財務事務所が令和6年12月11日に発表したデータでは厳しい経済予測となっています。以下に「法人企業景気予測調査(令和6年10−12月期調査)」から言語データを引用します。

  1. 企業の景況について

    令和6 年10月から12月期の企業の景況判断BSI(前期比「上昇」−「下降」社数構成比)は、製造業、非製造業ともに「下降」超となっていることから、全産業では「下降」超となっている。規模別にみると、大企業は「上昇」と「下降」が均衡しているものの、中堅企業、中小企業は「下降」超となっている。

  2. 売上高について

    令和6年度の売上高は、製造業、非製造業ともに増収見込みとなっており、全産業では4.8%の増収見込みとなっている。規模別にみると、中小企業は減収見込みとなっているものの、大企業、中堅企業は増収見込みとなっている。

  3. 経常利益について

    令和6年度の経常利益は、製造業、非製造業ともに減益見込みとなっており、全産業では△10.8%の減益見込みとなっている。 規模別にみると、大企業は増益見込みとなっているものの、中堅企業、中小企業は減益見込みとなっている。

  4. 整備投資について

    令和6 年度の設備投資は、製造業、非製造業ともに前年度を上回る見込みとなっており、全産業では27.3%の増加見込みとなっている。 規模別にみると、中小企業は前年度を下回る見込みとなっているものの、大企業、中堅企業は前年度を上回る見込みとなっている。

以上の見通しになっています。つまり地元の中小企業は全ての項目で前年度を下回る見込みであり、中堅企業も経営の厳しさが感じられます。このことから来春の賃上げに期待していますが、賃金引き当てにどれだけの金額を充当できるか不明な状況です。

働く人の生活環境を改善するためには企業の業績が上がり、整備投資にも向かうだけの資金繰りが必要となります。中堅企業や中小企業の経営環境を整えることは県政の課題だと認識しています。