今年最終となる護摩焚きの案内をいただき参加してきました。いつもは屋内で実施するのですが今回は屋外でのご祈祷で、冷たい風が吹く中で午前10時から11時30分頃まで気合の入った護摩焚きでした。最初は寒さを感じましたが、途中から修験者の気持ちが周囲に拡散したようで、寒さを感じなくなるほどでした。
参加者の祈願を書いた護摩を投げ込んだ炎は龍のように風の流れと一緒になびいて、まるで生きているように感じられました。炎は祈願したことを叶えてくれるような動きがあり、修験者のご祈祷の声と共に今年溜まった垢を燃やし尽くしてくれるようでした。
今年一年もいくつもの良い出来事もそうでないこともありましたが、良い出来事は来年に持っていくこととし、そうでない出来事は全て燃やし尽くしました。参加者の願いが龍の姿になって天上に飛んでいきました。
この光景を眺めて、龍は中国の想像上の生き物ですが、想像した理由が分かるような気持ちになりました。生きていれば良いことも悪いことも起きますが、それを人が抱えていたら圧し潰されそうになります。昔の人はそんな不必要な重い荷物を空高く運び、自分の前から消え去ることを願ったのです。人が抱えることが困難な重い荷物を運ぶには強い動物の出現が必要でした。そこで人々の願いが龍の姿になって登場し、一切の不要物を運び去ってくれることを託したのです。今日の護摩焚きで、炎の中から飛び立つ龍の姿はそこから来ていると思いました。昔の人達も今日の私たちが見たように、不要なモノを焼いている時に持ち去ってくれる荒々しい龍の姿を見たのでしょう。龍を想像した人達は護摩木に願いと名前を書いて火の中に投入することで、明日に持ち越さないようにしたと思います。
人の心を感じる龍は、一切を焼き尽くす炎の龍は手放したいものを焼き尽くし、実現して欲しい願い事は5本の指で持って天上に運んでくれます。炎に包まれた願い事は天上から炎のように強い心を、祈願する私達に届けてくれるのです。
炎の中に龍を見る。年末にそんな体験をすることができました。そして夜になって今日の動画を送ってくれました。改めて拝見するとやはり炎の中に龍の姿を発見することができました。私たちの願いを聞き入れてくれるように、炎が生きているように上に横にと動いているのです。今朝の現地で感じた迫力が動画で表現されていました。良いことだけを持ちながら、新しい年に向かう準備が整いました。案内、ご祈祷、一緒に参加した皆さんに感謝しています。
お世話になっているお店のメンバーと一緒にクリスマス会に参加しました。午後からの部に参加して、参加者の皆さんと歌とゲーム、ビンゴ大会などで盛り上がりました。店主は「今年お世話になった皆さんが一緒になって楽しんでもらうこと。そして来年も元気で向かえられることを願って会って話をする機会をつくりたいと思って企画しました。来年もいくつかのイベントを企画しているので、元気で参加してもらいたいと願っています」と開催の趣旨を話してくれました。
参加者が心から歌のステージを楽しんでいたことは、全体の笑顔で分かるものでした。人が集まり話をして、歌を歌って笑顔になる。気兼ねすることもない仲間との時間を一緒に楽しむことができる。そんな時間があることに感謝したくなります。
スタジオには今年の干支の辰と来年の干支の白い巳が飾られていました。干支の引継ぎはあるのかどうか分かりませんが、微笑んだ干支が同居していることに癒されました。年は巡るのではなくて引き継がれているものだから、護摩焚きの精神と同じように、良い物は新しい年に持っていき、いらないものは今年に置いていくこと。十二支が刻まれているのはそのためだと思えます。引き継ぐ場面には会話と笑顔、そして歌のある空間が似合います。令和6年も残すところ2週間余りとなりました。同じ2週間でも年末の2週間は急いで過ぎようとしています。年の初めのように時間がたくさんある時は今日という日はまだまだあると思いますが、年末が近づいてくると今日という日がとても大切なものだと感じます。人はあるものが残り少なくなってくると、そのことの大切さに氣づきます。今日という一日、今過ごしている時間、そして令和6年が愛おしく感じるのです。常に年末と同じような気持ちでいられるなら「今日をどれだけ充実させて過ごそうか」と思います。
残り少なくなって毎日が大切な日々だと氣づきますが、その気持ちをいつも持ちたいと思います。