和歌山文化協会茶道部例会に出席しました。今年最終の例会では、今年一年の活動を振り返り反省の機会となりました。初釜以降、2月に新春の会からスタートした茶道部の活動も先月の茶花展が最終の行事となりました。同会には300人を超える方が来場してくれたので、用意していたお菓子もなくなってしまうほどでした。季節を感じる草花とおもてなしのお茶会を組み合わせた茶花展は好評で、ここでの収益金は日赤に寄付しています。
来春も初釜からスタートすることになりますが、この例会が今年最終の集まりとなりました。会員の皆さんとお茶や文化の話を交わすことができました。
また例会を終えて交流会に入る前に、ピアニスト宮井さんのショパンの演奏を楽しみました。台北から帰国した直後でしたが、茶道部の依頼に応じて演奏してくれたものです。
例会での僕からの挨拶の趣旨は次の通りです。
こんにちは。今年一年、大変お世話になりありがとうございます。今年の活動は2月5日から始まりました。新春の会で一年の活動計画を確認し、ほぼ各月に計画していた行事を開催することができました。それぞれの行事にはたくさんの方にお越しいただき、お茶の文化を楽しんでいただけたと思います。伝統文化ですから、しきたりは大事にしながらも、時代に応じて若い人にも親しんでもらえるよう、会話や服装は自由、椅子席でのお茶会も楽しんでもらうなど、気軽に参加してもらえる環境を提供できたと思います。
また宮井さんのショパンを聴かせてもらって、皆さんは今うっとりしているのではないでしょうか。秋には全曲ショパンのコンサートを行っていますし、台北でのコンサートも大盛況のうちに終えて、昨日帰国したばかりだと思いますが、素晴らしいショパンの演奏を聴かせていただいたことに感謝しています。
12月に入ったばかりで少し早いですが、来年の活動もみんなで楽しく行えることを楽しみにしています。本日の例会で交流を深めたいと思いますので、最後までよろしくお願いいたします。
以上の趣旨の挨拶をいたしました。来年も、皆さんとご一緒できるお茶会の場を楽しみにしています。
和歌の浦アート・キューブで開催された宮本静さんのコンサートに行ってきました。テーマは「和歌浦選歌」発売記念で、万葉の歴史に彩られた和歌浦の良さを伝えてくれました。
今から1300年前、聖武天皇が行幸で和歌浦を訪れた時、輝く海と島影や山影が浮かぶその景色の素晴らしさに感動し「この景観は後世まで護り続けるように」と言ったとされています。お供した山部赤人が詠んだ和歌によって国内の人々に和歌浦の名前が轟いたと言われています。
名勝の地として栄えてきた和歌浦ですが、昭和30年代をピークに観光客が減少しています。万葉の時代にこの地を訪れた人々を感動させた景観は今も護り続けていますから、この景勝地を和歌ではなく、歌にして全国に発信しようとする宮本さんの心意気をみんなで応援しようとコンサートは盛り上がりました。
今日のコンサートはバックダンサーやバンドメンバーも参加して舞台を構成していました。歌とダンスの組み合わせは華やかになりますし、バンドではバイオリンの演奏があり、その音色は澄んだ空気のように舞台に広がりを感じさせてくれました。和歌の浦アート・キューブから見える和歌浦の海に思いが届いているように感じました。地元の私たちにとっては見慣れた光景ですが、古の時代は都人の憧れの地であり、和歌浦の海に魅せられた天皇たちは何度も訪れた景勝地です。和歌浦は日本遺産に指定されていますが、この先の時代にこの景観を引き継げるよう、この歌を旗印にして取り組みたいと思いました。
和歌浦の名前を高めてくれる歌を祈念したコンサートになったと思います。宮本さんをはじめとする主催者の皆さんに感謝いたします。ありがとうございます。