志磨神社で開催された「秋詣」のお手伝いに行きました。同神社の初めての取り組みで、宮司の「秋に地元の神社に詣でてもらいたいし、地域との交流を大切にしたい」との思いから開催したものです。初詣や夏祭りの時は神社に参拝しますが、その他の季節に参拝するのは神社の氏子さんや熱心な人だけで、一般的にはあまりいないと思います。かつて地元の神社は人が集まる場所だったと聴くことがありますが、最近は初詣と夏祭り以外の時期に集まることはないと思います。
そこで神社に親しんでもらえる行事の案内をいただき、地域にとって大事なことなので有志でお手伝いを行ったものです。地元で収穫した野菜の販売、子どもたち向けのゲーム、焼餅やフランクフルト、パンなどのコーナーなどを設置して、それぞれのテントをボランティアが担当、運営しました。テントの横同士のつながりもできて、小さなコミュニティが生まれました。
多くの地域では神社行事のお手伝いをする人が減っているので「行事の担い手がないばかりか伝統的な行事ができない」との声があります。白浜町の太刀ヶ谷神社の祀りでも担い手が減少しているので、行事の簡素化を図り地域外の参加を求めています。伝統的な行事ができなくなると、地域の活力が失われるような気がします。また一度でも行事を中止すると、その後は途絶えてしまうことにつながります。伝統行事は地域だけではなく、地域外の人も、将来的には地元自治体も支援する必要が出てくるようにも思っています。
ずっと続いてきた日本の伝統行事は大切にすべきだと思いますし、神社離れの対策として「秋詣」の機会を設けたことは素晴らしいので、来年につながることも期待しながらお客さんをお迎えしました。皆さんの主な意見は次の通りです。
「秋詣」では地元を中心にお客さんが参拝してくれました。知り合いの方々もこの行事に来てくれていたので笑顔でお迎えしながら話を交わしました。
本日、参拝してくれた皆さんは、当たり前かも知れませんが肯定的な意見を伝えてくれました。宮司さんは「今回が初めての開催だったので周知が足りなかったかも知れませんが、毎年開催する予定にしています。これから回数を重ねていくと定着していくと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします」と話してくれました。
どんなことでも初めての試みは試行錯誤の中で実施します。秋に神社に詣でる機会は、先に述べたように熱心な人以外は少ないと思います。これを機会に神社を訪れる人が増えることで、この先も日本の伝統が受け継がれる機会になれば良いと思います。
本日、お手伝いをして感じたことは、訪れる皆さんがテーブルで焼餅やフランクフルトを食べながら、同席した方々と話をして笑顔になっていたことです。まるで高知市の「ひろめ市場」で隣の席に座った人と親しく話を交わしているのと同じような状況になっていました。隣に座った人との何気ない会話で笑顔になっている光景が生まれる空間は、地域社会のふれあいの機会として大切なものです。
初めて開催した「秋詣」のお手伝いを通じて、神社と伝統行事を考える契機になったことに感謝しています。