視察研修の二日目は原子力研修センターと大飯発電所の視察を行いました。過去に訪れたことがありますが、説明する内容が変わっていて「とても分かりやすくなっている」と思いました。これまでの視察受け入れの経験から、説明内容と話し方を改善していると感じました。
現在、関西電力で稼働している原子力発電所は7機で、関西全体の約40パーセントの電力需給を担っています。地球環境問題への対応と安定供給、エネルギーのベストミックスの考えから安全に稼働することが私たちの生活の豊かさと産業活動を安定させることになります。電力料金を抑えて安定させることが生活にとっても産業活動にとっても必要なことで、その一翼を福井県にある原子力発電が担ってくれています。
研修会ではアゼルバイジャンで開催中の気候変動対策を話し合う国連の会議「COP29」のことが話題になりました。ちょうど「COP29」で日本の環境団体が活躍している報道があり関心を持ちました。本日、報道されていたのは一般社団法人「SWiTCH」で代表理事の佐座 槙苗さんがニュースに登場していました。同団体は「COP29」に日本政府団として参加し存在感を見せているというものでした。日本の若者を対象に会場から世界で議論されている環境問題を伝えるために会場と日本を結ぶセッションを開催することを報道していました。
代表理事の佐座さんは、イギリスに留学中、各国から来ていた留学生と地球環境問題について話をしたことが、この活動のきっかけになったことを説明していました。佐座さんが伝えていた内容の趣旨は次のようなものでした。
「留学時代に留学生から言われた言葉にショックを受けました。あなた分かっていないよね。凄い環境が整っているあなたたちにできることがあるんじゃない。だったらその役目を果たしたらいいんじゃない。海外と日本の圧倒的な違いは、今まさに自分達の生活がかかっているという危機意識が圧倒的に違うということ。地球環境問題でインパクト受けるのは若い人の世代なのです。日本人は、毎日の生活と仕事を全く変えなければいけないと思った。では自分に何ができるかを考えた」という話でした。
私達はエネルギーや環境問題の仕事をしている人などを除いて、地球環境問題を自分のことと捉えていないように感じることがあります。日本の生活と地球環境問題で貧困に喘いでいる国の人とでは考え方が全く違います。温暖化が進んでいるので飲み水がなくなっていること。今日の食べ物にも苦労していること。そして洪水や干ばつで家や町が破壊されていることなどの現実があると今日の「COP29」の会場からのニュースでは伝えています。
「日本人は豊かな生活をしているので世界の現実を知らない、温暖化の影響などを自分のことだと思っていない」など問題提起がありました。佐座さんが伝えているように、同じ生活でも日本と開発途上国とでは生活の質が全く異なる現実があります。
昨日と今日、エネルギー問題と地球環境問題に関わる研修の最中であり、このニュースでの提言は「エネルギーと地球環境問題を深く考えよう」と意識することになりました。他人事と片付けることはできないのが地球環境問題で、その意識が高い人が周囲の人に伝えなければならないのです。視察研修でも再三再度、地球温暖化防止とそのために福井県や電力会社が取り組んでいること、できることの説明をしてくれました。その姿勢に感銘を受けたのは言うまでもありません。この問題に対応するために少しでも行動している人の発言は重く、決して利益を得る目的だけで行動しているものではないと分かる言葉でした。
「COP29」の開催中に二日間の視察研修を受けて、エネルギーと地球環境問題をより深く考える契機となりました。