令和7年は、和歌山県とフロリダ州が姉妹提携を実施から30周年を迎える年に当たります。この間、民間外交として和歌山フロリダ会が活動し、その役割を果たしています。和歌山フロリダ会は、平成23年5月10日に、セントルイスで発足総会を行い発足し、現在に至っています。
僕も参加していますが、コロナ禍の時期もオンラインで芸術活動をつなぎました。フロリダ州の芸術舞台を和歌山市内で鑑賞したこともありますし、それ以前はフロリダ州の陶芸家が来県してくれ、陶芸の指導をしてもらったこともあります。その時の陶芸教室には僕も参加しています。
令和7年に姉妹提携30周年を迎えることから、同年10月ごろ「姉妹県州30周年記念事業」を計画しています。これは「メキシコ和歌山県人会創立40周年式典」と合わせて実施する予定です。
30周年を迎えることに係る会議で和歌山フロリダ会事務局から過去の交流の資料を見せてもらいました。県議会一般質問で知事と交わした質疑も保存されていました。懐かしいと思い当時の仁坂知事の答弁を読みました。活動の記録は確実に残っていますし、過去の質疑は現在につながっていることを感じます。改めて、その時々に真剣な議論と質疑を交わすことの大切さを感じます。ここで、平成25年6月の県議会定例会における和歌山県とフロリダ州との関係に係る質疑の議事です。
1.質問内容
姉妹都市であるフロリダ州との関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。今週、西フロリダ大学の大学生6名が、先生に率いられて和歌山県に来ております。県庁にも、月曜日ですか、訪問したと思いまして、そこで少しお話をさしていただきました。この学生たちは、和歌山大学で日本語、日本文化の講座、こういった受講をする、それから観光も含めて来県してくれたもので、これは知事が締結したオレンジパートナー協定、これの成果であると思っております。
今回実現した人材交流とあわせて、協定にうたわれているような経済的な成果も求めるためには、さらに食品流通や観光面での取り組みも必要かというふうに思います。一般的に、協定を締結しているからといって、フロリダ州が和歌山県のために何かの便益を図ってくれるとか、積極的に観光客を送り出してくれるというところまではまだ至っていないような感じはしております。
ですから、こちらから、例えば厳しい検疫を突破して輸出できる食品や加工品、これを提案することや、今回来てくれた西フロリダ大学の大学生など若い層への学習機会の提供と観光を組み合わせた機会、こういったものも商品構成ができるのではないかなと思っております。
今回の訪問ができたもう1つの大きな理由は、和歌山大学で研修機会をつくれたことと、それから大学に隣接するグリーンプラネットという安く宿泊できる施設があった、これから、大学の横にこんなホテル、泊まれるところが、安く泊まれるので長期間研修できるということで、この環境は大阪や東京にもないものだというふうなことから実現できたというふうにもお伺いしました。
大学生が研修機会を持って数週間滞在していることは、観光にもつながるものであり、大学生の研修機会を通じた誘客、空き時間を利用した高野山や熊野古道への観光案内なども、この協定の趣旨である有効な取り組みになっていくのかなというふうに思います。
ほかの関心事項を少し聞きますと、高齢社会がもう現実のものとなっている日本の福祉政策は、向こうにおいても関心事項であり、フロリダ州のリタイアメント層の政策のモデルになる、こういう可能性があるので、こういう研修なんかもいいんじゃないのかなと、こういうふうな話がありました。
オレンジパートナーシップ協定は、姉妹提携の枠を超えて、文化交流に加えて経済交流を図ることを目的にしている、こういうふうな協定だと思います。オレンジパートナーシップ協定以降、フロリダ州との関係構築について、そして2年後には姉妹提携から20周年を迎える年になりますが、それを踏まえての関係強化について、知事からお答えいただけたらと思います。
2.仁坂知事
フロリダ州との交流につきましては、平成23年の11月にフロリダ州を私が訪問いたしまして、リック・スコット知事との間で、経済交流や教育交流を推進するためのオレンジパートナーシップ協定を締結いたしました。
この趣旨は──これは和歌山県ではないんですけれども、一般的に地方公共団体同士の姉妹何とか関係というのは、首長が相互訪問をして乾杯して帰ってくるというのが非常に多いわけでございます。それが可能であればまだいいんですけども、はるか昔に締結、そういう関係をつくった後、ほったらかしになってるというのがあって、ほったらかしになってるのはけしからんということかというと、マンパワーとかそういう点では、やっぱりちょっともう維持するのは無理だというようなところもあるんですね。
そのフロリダ州との関係については、もう20年ほど前になるんですけれども、実はそういう関係でありました。それで、フロリダというのは、日本においては非常にイメージのいいところでありまして、しかも、ミカンがいっぱいとれるということでありますから、和歌山県とイメージを重ねて、日本の中でフロリダをうまく活用して和歌山県を売り出すことにもなるかなというふうに思って、一石何鳥かを狙って、これを活性化することを考えたわけでございます。
それほど大成功してるとは、正直言うとまだまだ思えません。しかし、具体的な芽は随分出てまいりまして、今御指摘のお話に加えて、州務長官という方がいるんですが、この来日のときに、私はちょっと日程的にお会いできなかったんですけども、協定の具体的な推進方法について、部長を東京へ派遣して、それでいろいろな打ち合わせをさしてもらいました。
その流れでございますが、フロリダ州の陶芸作家が、ことし4月に来県しまして、海南市の雨の森で県内の陶芸家と共同で作陶活動をいたしまして、展示会などもいたしました。
今月は、西フロリダ大学の学生6人が、御指摘のように日本文化体験や和歌山大学の学生との交流を目的として来県をし、同大学で研修プログラムを実施中でございます。それから、高野山や白浜温泉も訪問すると言われております。
そのほか、フロリダ州の農務局から幹部が来県しておりまして、これは県内の小売業者とか──これはどちらかというとフロリダ産のものを入れるほうですね。それから、フロリダに輸出する可能性ということで、こちらの食品加工業者と商談を行っております。今後、取引の実現に向け具体的な協議を行うんですが、フロリダ州の政府は、この協定に基づいて、向こうの流通業者なんかはどんどん紹介してあげるよというようなことを言うてくれておりまして、地道ではございますけれども頑張っていきたいと思っております。
再来年は、和歌山県とフロリダ州が姉妹提携を実施して20年なんです。ということで、このような文化交流や青少年交流のみならず、経済交流ももっともっと積極的に展開できるように、またいろいろ考えてまいりたいというふうに思っております。
こうして質疑を読むと、姉妹提携20周年から30周年に向かう意味合いを感じます。
本日、台北空港に向けて立谷さんと一緒に出発しました。