活動報告・レポート
2024年10月4日(金)
手紙文集展
手紙文集展
手紙文集展

小池秀和さん主催の「手紙文集展」を鑑賞しました。訪ねた時、ちょうど小池さんが会場にいたので今回の手紙について話を交わしました。僕が展示している手紙を読んで質問したところ、小池さんはその内容を覚えていて、手紙に書かれた趣旨を説明してくれました。その記憶力と手紙を書くことの凄さを感じました。

例えば小池さんがバイパス手術をした時に主治医に宛てた手紙がありました。手術前、大手術なので病室で不安に感じていた時、主治医が部屋に来てくれました。医師は「小池さん、確かに大手術ですが、外科は治療するとその後は快復していくだけです。内臓疾患などと違うので快復していくので安心してください。私たちは日常的にバイパス手術をしていて十分な経験がありますから、明日は任せてください」と言葉をかけてくれたのです。不安でいっぱいだった小池さんは、この言葉に安心して手術日を迎えることになるのです。

今日、この手紙の当時を振り返って「先生の言葉で不安が消え去り安心して手術に向かうことができました。不安を消す言葉は大事だと思います」と話してくれました。不安を感じて手術に向かうのと安心して手術の日を迎えるのでは、気持ちの持ち方が違います。主治医からの説明で安心を覚えたので「主治医の先生は名医だと思います。技術もそうですが患者に不安を感じさせないことが名医だと思います。不安を消すためには患者に適切な言葉をかける必要があります。それができる医師は多くないと思います」と話してくれました。

手紙文集展

手術を終え退院した後に自宅から主治医に宛てた手紙には、その時の心情が綴られています。主治医と患者さんの信頼関係を感じられる手紙でした。 また小池さんと同じバイパス手術が必要になった友人にも、この時の主治医を紹介しています。その友人が小池さんの紹介により医師に会って手術の説明を聴いた時の話です。

「先生は医療内容を優しく時には強くはっきりとコメントされました。友人は不安と戸惑いが払拭され、足取りも軽く家路を急ぎました。途中、顔付き、声付きが凄くよくなりました。『お陰さまでまな板の上の鯉になれます』と晴れやかな気持ちになってくれました。私も少しでも人のお役に立てる事ができて安堵いたしました」とその心境を主治医に伝えています。小池さんの優しさと主治医の言葉で患者さんの不安を消し去る強さを感じさせてくれます。瑞々しい情景が手紙から伝わってきます。

筆で書かれた手紙がそう感じさせてくれるのかもしれませんが、心を手紙に表したことで感じたと思います。心を言葉で伝えることは難しいことですが、小池さんは見事に実現させています。 これが30年間書き続けた力だと思います。手紙に小池さんの心と文字の力が宿っているのは書き続けているからです。手紙を受け取った主治医も、安心して手術を受けた友人も、小池さんの手紙から優しい心を受け取ったと思います。この時、往復書簡になっていると推測していますが、手紙を読んで温かい心が伝わってきました。

この展示会場は小池さんの温かい心が詰まった空間になっています。「30年間の手紙を展示して皆さんに見てもらうのは念願だった」と話していますが、一気に30年間の時代を感じさせてくれる展示会になっていると思います。小池さん、案内と説明をしていただきありがとうございます。

その他
  • 「熊野白浜リゾート空港」国際線活用について話を交わしました。地域振興のために活用を図れるよう取り組みたいと思います。
  • 「万葉薪能の会」役員の方と話し合いました。今年も狂言とお能の文化を発信したいと考えています。