活動報告・レポート
2024年10月3日(木)
避難所と防災対策について
避難所と防災対策について

阪神淡路大震災や東日本大震災など、過去の震災体験の話を聴かせてもらい、その体験から必要なことを説明してもらいました。避難所での生活はここでは表現しませんが、言葉で表現できないことがたくさんあるようです。特にトイレ不足と使用できる状態で維持することと温かい食料の確保、そして安心して睡眠がとれるプライバシーの確保などの問題です。過去から言われ続けていることですが、未だに解決できていないのが避難所の問題なのです。中でもトイレの問題は深刻で「トイレパニック」と言われるほど、直ぐに汚く使えない状態になります。震災直後、トイレは汚れ、便が溢れて使えなくなります。掃除をしても直ぐに汚れてしまうのです。

問題解決の一つにトイレを流す水を確保することがあります。過去の経験から「雨水を貯めておき非常時に活用する」取り組みです。震災で水の大切さを実感し1997年8月1日に発足したのが「関西雨水市民の会」です。小学校へ雨水タンクの設置と雨水環境学習授業などを行っています。ここでは「防災対応型雨水タンク」を設置しており、平時は植栽の水やりなどに活用し、災害発生時はトイレを流すことに使用するなど生活用水に活用できます。

とにかくトイレの問題を解決しないことには、安全で安心できる避難所生活は成り立ちません。過去の体験から学ぶことができていないので、もう解決しなければ防災後進国のレッテルを剥がすことはできません。

防災対策として進められるテーマは、避難所のレベルアップです。その核となる取り組みが水の確保とトイレの必要数の確保と清潔に保つこと、そして電気です。雨水を貯めることは生活用水の確保とトイレを清潔に保つことに資するものであり、今すぐに備えることができる対策です。平成26年に「巨大災害に備えて雨水を貯める」法律が施行されていますが、できている地方自治体は少ないように思います。避難所に指定されている公立学校で雨水を貯めている話を聴くことはありませんから、避難所のレベルアップのために設置すべきだと考えます。

また熱中症対策は、以前は6月から9月までの期間でしたが、現在は5月から10月の期間必要になっています。夏場の避難所生活では熱中症対策も必要であり、そこには「緊急時解放備蓄型自動販売機」の設置も検討すべきです。ただ今日、「和歌山市内の公立中学校には、この自動販売機が設置されています」と説明してもらったように、和歌山市内で導入事例があることは安心材料です。

過去の体験から学ぶことの対策の説明を聴いて、避難所に指定されている学校などの公共施設には、最低限、雨水タンクと「緊急時解放備蓄型自動販売機」の設置をすべきだと考えました。能登半島地震でも同様の課題があり、対応が求められているのは周知の事実です。

この次に巨大地震の発生が予想されている地方自治体は、避難所運営に際して同じことを繰り返すことは許されません。トイレの確保と清潔に保つこと、温かい食事の提供と安心して就寝できるプライバシー環境を整えることが絶対条件です。この次は「できていませんでした」「想定していませんでした」の言葉はありません。すべきことは想定できているので「予算がない」だとか「優先順位」など、今でも言うような地方自治体はないと思います。

巨大震災への対応に関しては過去の教訓から学ぶこと。そこから必要な対策は十分に議論されているので、後は実行するだけです。地方自治体はその意識を持つこと、実行力、そして予算確保の取り組みをすべきです。震災体験者の方からの説明を聴いて、震災の怖さを感じ、避難所生活などに備えることの重要性を十二分に感じ取ることができました。

その他
  • 秋に開催される予定の講演会の内容の説明を聴かせてもらいました。先人の功績と志を学び現代に生かすことの必要性を感じています。
  • 「桐和歌会」の役員の皆さんと会議を行いました。和歌山県の文化と教育など将来につなげる取り組みを目指しています。
  • 過去の巨大災害から学ぶ会議を行いました。避難所運営のあり方、特にトイレの問題と雨水を貯める取り組みを重点項目にしました。
  • 和歌山フロリダ会の活動について振り返りました。和歌山県とフロリダ州との人のつながりと友好関係について確認しました。
  • ドクターヘリの活動について認識を共通のものにしました。ドクターヘリの活動を知ってもらうことと周知方法のあり方について話し合いました。
  • 循環型社会のための取り組みについて意見交換を行いました。
  • 「大阪・関西万博」への出演のコンセプトとアイデアを協議するための会議を行いました。和歌山県の着物文化と江戸時代からの流れを発信するため、来年に向けて準備を進めています。