活動報告・レポート
2024年8月29日(木)
紀州文化
紀州文化
「江戸時代および紀州藩のきもの文化について」の説明

和歌山市立博物館で「江戸時代および紀州藩のきもの文化について」の説明を聴かせてもらいました。今月初めに「江戸時代の紀州におけるきもの文化を教えてくれませんか」とお願いをしていたのですが、その説明日が本日となりました。

「大阪・関西万博」の和歌山ゾーンで「紀州のきもの文化」をアピールするため時代背景の共通認識を形成するため実施しました。説明を聴き終えた時「学芸員から説明を聴かせてもらって良かった。紀州徳川時代のきもの文化が分かるとても良い機会になった」と思いました。紀州徳川時代と言っても初代藩主徳川頼宣公から吉宗公の時代を経て十代藩主治宝公の時代まで長い年月がありますから、どの時代に焦点をあてるのかによって紀州文化が違ってきます。

質素倹約の吉宗公の時代と文化の香りが漂う治宝公の時代では全く雰囲気が異なります。時代背景ときもの文化の変遷について学ぶことができ、出演に際しての参考になるものでした。

結果として「大阪・関西万博」では徳川治宝公の時代を描くことにしたいと話し合いました。理由として、治宝公は茶の湯や音楽、絵画などの芸術を愛したことから「数寄の殿様」と呼ばれたことから華やかな文化を表現できること。

そして和歌山藩主としての治世は34年6か月と長く、藩主時代での和歌山在国の通算は15年10か月であったこと。加えて藩主を退いてからの隠居期間が28年6か月あり、この間はずっと紀州にいたことから紀州藩を代表する藩主だったことからも紀州徳川時代の象徴的な文化を表現できると考えたからです。

江戸時代は参勤交代で各藩の藩主は半年交代で江戸と自分の国を行き来していたため、藩にいる日数はそれほど多くなかったそうです。藩主がいる間と不在の間では藩の空気が違うので、治宝公が紀州にいた時代は徳川家の色合いが濃かったこともあり、紀州文化が華やかだったようです。紀州徳川時代は藩主によって治世も文化も異なっていたのです。当たり前のことですが学芸員さんから聴くことで理解が深まりました。

また和歌山城に関して次のような経緯があります。

「1600年から築城を引き継いだ浅野家が、現在とほぼ同じ姿の天守閣を黒板張りで創設していましたが、治宝公により、1798年に白亜の天守閣となった」とされています。

元々天守閣の色は黒色でしたが、治宝公が19歳の時に藩主に就いてから白壁に作り替えたのです。その姿が現在の和歌山城に反映されていることからも、白壁の和歌山城を築いた治宝公の時代を取り上げるのが相応しいと考えました。

さてきもの文化です。小袖は庶民が来ていた粗末な一枚着だったのですが、応仁の乱以降、小袖形式の服装に変わったそうです。現代の着物のスタイルになったのは江戸時代で「明暦の大火」で江戸が大火事になり家屋が焼失しました。そのため着物も不足したのでデザインは簡素化され、染め物の着物も登場しました。多く人が着物を必要としたため、雛形本、カタログブックが刊行されたのもこの時で、町民文化としての着物が台頭していったのです。

そして江戸時代中後期には現代と同じ太さの帯が登場し、デザインは上と下でデザインが変わるスタイルになりました。デザインは上下模様や半模様などが登場し、絵模様も伝説や伝承、年中行事、物語と詩歌、名所と歌枕、そしてだじゃれなどが描かれるようになりました。

この時のデザインやスタイルが現代に伝わっているようです。それまでの帯は細くて旅館で着衣する浴衣の紐のようなものだったそうです。

今日の説明のためにパワーポイントを用意してくれた学芸員さん、調整してくれた館長さん、そして案内をいただいた職員の皆さんに感謝しています。「大阪・関西万博」に向けて良い企画に仕上げることが恩返しだと思いますので、しっかりと会議を重ねて紀州文化と現代をマッチさせた企画を練り上げます。ありがとうございます。

その他
  • 住宅地のカーブミラーに大型車が接触したため角度が変わり、安全確認ができなくなっていることから元に戻すことを依頼しました。
  • 物価高騰支援給付金について確認と対応をしています。この給付金に該当する世帯には和歌山市から確認書が郵送されていますが、問い合わせ先が市役所ではなくコールセンターと記されているため「偽物ではないか」の問い合わせが来ています。市役所から郵送されている確認書は本物ですので手続きをしてください。
  • 農地転用に関する対応しています。第一種農地なので原則転用はできません。例外規定がありますが、居住を伴う場合は許可されません。また集落接続の場合は検討できますが、図面などで確認しなければ正確な回答ができません。ただ第一種農地の転用はかなり難しいものがあります。
  • 秋に開催予定のフラメンコ公演について招待者に案内を行いました。台風第10号への対応のため回答は来週になります。