活動報告・レポート
2024年8月24日(土)
空き家対策
空き家対策

宅建事業者から、和歌山県内の空き家対策についての見解を聴かせてもらいました。和歌山市の所管個所にも提言している内容は、とても参考になります。

・空き家になってしまってから対応しようとしても遅いので解決にはつながりません。空き家になって数年が経過すると家屋が傷んでいるので修繕費が嵩むため買い手が見つからないためです。
・子どもは両親が一人になった時から老後の計画を話し合うことです。自宅で一人暮らしを続けるのか、それとも介護施設にお世話になるのかを決める方が良いと思います。自宅で過ごす場合は、リフォームしておくことで空き家になったとしても傷みは少ないので売却が可能な物件となります。
また介護施設のお世話になると決めた場合、その時点で家屋を売却できるので、同様に買い手は見つかりやすくなります。
仮に親が元気で一人暮らしが可能な場合のもうひとつの選択肢としては、介護施設に入るのではなくてマンションやアパートに転居することもあり得ます。この場合も自宅を売却して、その資金でマンションやアパート代に充当します。手持ち資金が確保できることと、一人暮らしにとって広い一軒家は必要ではなく、適切な規模のマンションで十分生活できるので選択肢として考えても良いと思います。
・現在、一軒家を新築する場合の坪単価は約80万円前後です。ハウスメーカーだと坪単価は120万円から150万円になるので、両親からの支援がなければなかなか買えません。そこでリフォームした中古住宅市場を形成して流通できれば空き家は減少します。和歌山県の空き家率は全国一位なので、空き家になる前の事前対策が必要です。
・都会で就職した子どもは和歌山県に戻ってくることはありません。その事実を正面から受け止める必要があります。「会社を定年したら帰ってきてくれる」と思うのは妄想で、戻ってくることはないと考えることです。子どもとしては、将来、空き家になる前に処分を考えることです。二人暮らしの間にマンションなどに転居することを話し合うことも必要です。
・和歌山市で条件の良い場所の家屋は売買が可能ですが、そうでない地域の家屋の売買は困難です。早い段階で行政や宅建事業者に相談する体制が必要です。

以上のように、空き家を作らせない事前対策が効果的だということです。親が元気な間に自宅を売却することが真の空き家対策となります。

家屋は人が住まなくなると傷むのでリフォームが必要となりますが、リフォームにお金を出さないので売買は難しくなります。ですから空き家になる前に売買できる体制を整えるなど、事前対策を実施すべきだというものです。何事もそうですが、事が起きてからの対策は時間も労力、お金もかかるということです。事前対策の必要性が分かりました。

震災がれき

県外の大学の災害対策研究機関の方と話を交わしました。巨大災害発生に備えて必要なことは、震災がれきと非常時に対応できる人材育成だということです。過去、巨大災害が発生したところでは、震災がれきで道路が塞がれて撤去作業や復旧作業ができないこと。仮にがれきを撤去できるとしても保管場所がないことが問題になっています。

事前に保管場所を確認しておくこと、県外撤去に協力してもらえる近隣の県を探しておくこと、そして継続した人材育成を行っておくことが災害への備えとして必要な対策だというものです。

このような課題は次々と出てきます。危機管理に正解もゴールもないということです。