白浜町では宮崎県で発生した地震を踏まえての、気象庁が発令した「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を受けて、白良浜海水浴場を閉鎖しています。このことに関して意見をいただいていますが、ほとんどが好意的なものです。
白浜町の海水浴場の閉鎖ですが、一年で一番の観光シーズンに閉鎖するとは白浜町はよく思い切りましたね。命を大切にする白浜町であり和歌山県であることが伝わってきます。観光シーズンなのに地震注意報を尊重して集客することよりも、万が一に備えて海水浴場に人を入れない取り組みは凄いと思います。
併せてJRが特急「くろしお」の運行を止めていることも凄いですね。南海トラフ地震臨時情報を受けて全国で特急電車を止めているのは、この区間だけではいでしょうか。JRも採算よりも危険を回避する行動を取っていることは評価できると思います。
この夏の観光客は減るかもしれませんが、この閉鎖は自然が相手なのでどうしようもないと思います。「もし」はないかもしれないので、振り返ると「閉鎖しなくても良かったのでは」の意見が出てくると思いますが、それは評論家的な人が言うだけのことで結果論です。
では閉鎖せずに人を海水浴場に入れた時に津波が発生していた場合は「どうするの」ということになります。危機管理の考え方は難しく「多分、大丈夫だろう」からの判断は危険を伴います。今回、政府が注意報を発令しているのは理由があるからです。根拠のない「大丈夫だろう」の判断で安全を後回しにして命を危険な状態に置くことは決して良い判断ではありません。思い切った判断を下した責任者の方々の勇気に敬意を表したいと思います。
この判断は「命を大切にする和歌山県」の印象を高めたものであり、夏以外のシーズンに白浜町に観光客が訪れることにつながる行動であり、今回、白浜町は損をして得を取ったと思います。
大阪市内の友人からは「白浜町、そして和歌山県の今回の判断は、流石、濱口梧陵を生んだ土地だと思わせるものですね。関西からすると白浜町は夏に行くイメージがあるので、最高のシーズンに海水浴を止めるのは凄い判断だと思います。大阪からも行く人が多い、白浜町海水浴場での花火大会も中止にしたことは凄いと思います。経済的損失は分かりませんが、短時間で地元の皆さんの理解を得た行動力も素晴らしいですね。今後、南海トラフ巨大地震が発生したとしても、白浜町のこの行動は教訓になると思いますし、観光客も安心して訪れることができると思います。
また特急『くろしお』はJR和歌山駅止まりだと思うので、帰省の人は大変だと思いますがJRの判断も良いと思います。お客さんと乗務員を護る経営判断だと思います。人の命を何よりも考えている和歌山県のイメージがつくと思います」と話してくれました。
現在、人がいない白良浜の映像や写真があります。夏のシーズンにこんな光景を見るのは初めてのことですが、「津波が来るかもしれない」を前提に閉鎖の判断をしたことは、東日本大震災からの教訓であり、故郷の偉人である濱口梧陵の精神を汲んだものです。
何事もなく、白浜町を始めとする紀南地域全体が安全であることを願っています。結果として地震や津波がなかったとしても、安全最優先の行動を取った白浜町の判断は正しいものだと思います。
社会で起きることの意見を聴いて全員が同じ意見になることはありません。今回の白良浜海水浴場の閉鎖も「賛成」の人もいれば「反対」の人もいると思います。100人いて100人が賛成することはありませんから、今回のように支持する意見を大事にしたいと思います。何か起きた場合には反対や批判の意見はよくありますが、支持する意見が届くことは珍しいことで、気持ちが良いものです。